最終病棟【d!】

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貴方side


『お邪魔しまーす、、。夕食お持ちしましたー』


「あっ。ありがとうございます。」


隣の病室に入ると、一面本、本、本！
そんな中一人本に埋もれたベッドで本を読んでいる患者さん。


『、、本お好きなんですね。』


「あっはい！とても良い暇潰しになりますし、知識がつきますので。」


そう言って本を抱き締める患者さん。
ベッド机の上の本を退かし、お盆を机の上に置く。


「おぉ。ちゃんとしたご飯だぁ！、、、いただきます。」


『、、、、あの？』


「はい？」


こちらも先程と同じ様に目を輝かせてはご飯を頬張る。
ただ、そんな一時もこの人は本を離さない。
ってか離す所か読みながら飯食ってる。
器用だな。


『あの、、本閉じないんですか？』


「あぁ、、はい。読みたいんで。」


『ご飯食べてる時くらい離しても良いんじゃあ無いですか？』


「いや。無理です。」


はっきりとした声と目でそう言う患者さん。
少し悩んだが、それが良いならそれで良いと想った。


『、、では私は私行きますね。後でお盆取りに来ます。』


「はい。ご苦労様です。」


そう言って患者さんの病室を後にする。
あの量じゃあ本食い虫とか湧いてそうだな。
なんて思う。
今度国に申請して本棚買って貰おう。


そう思いながら次の部屋に行く。


『お邪魔しまーす。』


「、、、っげ！？」


顔を見てなんか「っげ！？」って言われたんだが？
内心イラァとしながらお盆持って中に入ると、ベッドに丸まっている喫煙所の人が居た。


『あー、、飯ですー、、。』


「要らないです。どうせあんの不味いやつやろ？」


『私の手作り！』


「ならなおさらや。要らん。」


あ゛？食べ物粗末にするとか怒られるぞ？


続く

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