最終病棟【d!】

1+1 ページ2

貴方side



『患者数は12人。それをワンオペするんスね。』


書類に書いてある仕事内容だと、こりゃブラックに放り込まれたな。
それも治る見込みの無い患者の世話と来た。
いくら給料が良くてもブラックに代わりはない。


「一応専門のお医者さんが数ヶ月に一回見に来るようですよ。私はそういう行き来のためにここの専属のドライバーをしてるのでよくお話します。」


そうドライバーさんは誇らしく言う。
専門医か、、。
一人たまに来てくれるだけでも結構助かるな。
なんて思いながら窓の外を見ている。


「あっ。あそこですよ。第一■■隔離病棟です。」


道を抜けると崖の向こうの上にポツンと白い建物が見える。
この距離からあんなに大きく見えるなら相当大きい建物なのだと分かる。


『、、あんな所からよく脱走出来るな。』


「中にはそういう痛み等を感じ“られない“患者さんも居るらしいので。」


『納得。』


そう話をしていたらいつの間にか病棟に着いていた。
車から降り、トランクから荷物を持ち出す。
間近に見る第一■■隔離病棟はホントに大きくて、窓が二重になっていたり、ドアノブが下を向いていたり、精神科とかで見るような設備だった。


「では、これは病棟の鍵です。各病室や厨房、運動場や手術室の鍵はこの鍵で補えます。あとこれは貴方の部屋の鍵です。患者さんに盗まれ無いように気を付けて下さい。」


『あー、、はい。』


一通りドライバーさんが説明をしてから車に乗って帰ってった。
ポツンと一人病棟の前で立ち尽くす。


『部屋の鍵、、盗まれるの？？』


続く

1+2→←1+0

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す