時代を越える女神【悪ノ大罪シリーズ】【七つの大罪シリーズ】【番外編】 (ページ2)

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七つの罪と罰。　１話ページ2

それは、「罰」により滅んだ世界の話。

シックルは僕に「大罪契約者に会ってこい」と命じため、天界から地上に降りてきた。

地上で最初に見たのは森だった。
ここに来る前－－天界「heavenly yatd」－－にシックルから「千年樹の森」に出る、と聞いていたので、きっとそれなのだろう。

だが－－

(おかしい)

ひとりの独裁者により放たれた兵器「罰」。
それは、全てを破壊した。
当然それは、この森も例外でなく。

しかし僕が今見ている風景は、紛れもなく以前の、自然が満たされたままの状態だった。
木々が生い茂り、コマドリがポムの実をつついている。

そのコマドリは僕の存在に気がつくと、羽を広げて肩に飛び乗った。

「久しぶりね、アレン。」

人間の言葉だった。
そして、その声には聞き覚えがあった。

「君は…………ミカエラかい？」

「ええ、そうよ」

次にかける言葉が見つからず、僕は声を出せずにいた。

「来たな、『イレギュラー』」

別の声が聞こえてきた。
風のうねりのようにも思える、低い男性の声。

それも聞き覚えがあった。
上の世界で何度か会ったことがある者の声だ。

でも、声は聞こえるのに姿はみえない。森全体から響くその声は、続けてこう言った。