7食目。 ページ8
翌年、ベルゼニアの女帝ジュノがマーロンにやって来た。これはマーロンとベルゼニアの同盟関係を再確認するためだったが、同時にバニカとカルロスの婚約を正式に決定するためだった。
女帝ジュノは大切な来賓だ。予想通り人手が足りなくなり、ロンやセレナ、アルテとポロたちは手伝いに駆りだされていた。
こういった手伝いは今回が初めてではなかったが、ここまで忙しいのは初めてだった。
忙しく、休んでいる暇などなかったが、一応、別国の侍従達だ。
セレナたちは少しだけ休みの時間が与えられ、ゆっくりと椅子に座った……のは少しだけ。
すぐに仕事に取りかかることになった。
その内容は、会食での食器の回収。
それは今までもやっていたことであったし、仕事は無事に終わった。
『仕事』が無事に終わっただけであった。
セレナを含めた使用人たちが少し料理の残った皿を片付けていると、バニカがふいに立ち上がった。
そして、
「もったいない」
そう呟いた。
それが合図と言わんばかりに、残していた料理を獣のように食べ始めた。
聞こえるのはバニカの食事の音と「食べなきゃ」という呟き声。
しかし、もう２つ…もしかしたら3つだったかもしれないが、小さな声笑い声が聞こえていた。
そのうち２つはアルテとポロの笑い声。
もうひとつは多分…セレナの声。
いや、笑ってなかったのかもしれない。
だが……彼女は怖いくらいに、にっこりと微笑んでいたのである。
それは悪魔のような狂気を含んでいたが、母のようにバニカを見守るような笑顔であった。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (
レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんく | 作成日時：2016年8月1日 22時
