25食目。 ページ29
またコックがいなくなってしまった。
目の前には、そのコックの死体。
ここまで来た経歴としては、カルロスがバニカと自分のに毒を盛ったんだけど、バニカは死なないで自分だけ死んでしまった、って感じである。
(バニカ様がせっかく生かさせてあげたのに……)
いつもなら屍兵にしていたのだが、今回はなぜだかそうはせずに食べたいと言ったのだ。
バニカがこういうものを食べるのは不思議なことではない。
しかし、セレナには心配なことがあった。
それは、カルロスの肉。
カレロスを解体しているときに血に触れたとき、嫌な予感がした。
止めようかと思った。
捨ててしまおうかと思った。
バニカが死んでしまうのではないかと思った。
でも、セレナはやめなかった。
自分がこの世界に交渉してはいけないと思ったからだ。
若干の不安を感じながら、料理(・・)を運んだ。
「お待たせしました。」
バニカは涙を流しながら食事を進めていく。
その涙は嬉し涙だろうか。
それとも、感動の涙だろうか。
セレナも涙を流した。
この生活が終わってしまうのではないかという、悲しみの涙だった。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いんく | 作成日時:2016年8月1日 22時