10食目。 ページ11
その後、バニカたちはまた旅に出た。
その間屋敷の掃除をしていたのはロン。
彼は今日も仕事に精を出していた。
彼が今いるのはセレナの部屋。
最初は女性の部屋に入るのに抵抗があったロンだったが、何十回、何百回と入っていくうちに慣れていた。
セレナの部屋はシンプルである。
テーブルと椅子、ベッドにクローゼットと少しの本だけで、必要最低限のものだけ置いてある気がする。
本は数百年前にあった「ヴェノマニア事件」関係の本と、魔術のことが記された本。
実はロンはこっそり本を読んでみたことがあった。
「ヴェノマニア事件」の本はなかなか面白いとロンは思っている。
ヴェノマニア公が女性を誘拐した……ただそれだけのことなのに、「彼は人ならざる力を持っていた」だの「悪魔と契約していた」だの、神話かと思うほどにずいぶんと着色された話だと考えていたからである。
しかし、魔術の本については彼はまったく面白いと思えなかった。
理由は簡単。
意味がわからないようなことが書いてあったからである。
表紙はボロボロだったし、紙は黄ばんでいて少し穴が空いていた。
もしも破けたら…という考えも重なってあまり読もうとしなかった。
部屋の埃がだいぶ取れたところで、ロンはアルテとポロの部屋に向かった。
さっきのセレナの部屋とは対称的に、とても汚れている。
それを掃除しながらロンはふと疑問に思った。
(どうして彼等は成長しないのだろう？)
アルテとポロは見た目が14歳のまま成長が止まっていた。
……だが、それはアルテとポロだけではないことに気づいてしまった。
(セレナも…成長が止まっている？)
セレナはメグルと共に来たメイドだった。
つまり、少なくとも彼女は仕えて20年はたっているはず。
今のセレナの見た目は14歳ほど。
若々しい、の一言で済まないほど彼女は成長していない。
その後、ロンは呪われたワイングラスを見つけてしまい、行方不明になるのである。
[……省略……]
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (
レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんく | 作成日時：2016年8月1日 22時
