#8 はつ恋vol.2 ページ8
…はあ
財布が軽くなった
よく食うなあ真子ヌナ
あのおしとやかなAヌナの友人とは思えないけど
僕らの日本の事務所では同期入社の仲良しらしい
それはまあいいんだけど
Aヌナの初恋か
確かに一途というか健気というか
らしいといえばらしい気もする
だけど幼稚園の頃なんて
20年以上昔の話じゃないか
普通そんなの覚えてないだろ
一体全体どんな素敵な彼だったのやら…
次の日
仕事の現場に行く前に事務所に寄った
…あ
Aヌナ…!!
向こうからAヌナが歩いて来た
事務所の営業担当のヌナは
来客があったようで
ビシッとスーツを着こなした男性と一緒だった
エレベーターの前で何か言葉を交わして
扉が閉まるまで深々と頭を下げて見送る
僕はヌナのそんなところが大好きで
礼儀正しいところも
女性らしい仕草も
優しい笑顔も…
…酔うとどうなるのかって話
結局聞きそびれたけど
いつも僕のそばにいて
笑っていて欲しいと想わせるひとなんだ
今日も少しでも話をしたくて
ふられたのにも関わらず
Aヌナに声をかけようと思った
だけどヌナは
扉が閉じたエレベーターの前で佇んだまま
あまつさえため息までついている
何かあったのかな…?
Aヌナ、って声をかけると
｢…ああ
こんにちは」
いつもと違って何だか寂しそうな笑顔
そんな表情もきゅんとくる
…どうしたの
なんかいつもと違うけど…
｢…うん
仕事の事でちょっとね…」
笑って見せたけど
やっぱりなんかちょっと違うヌナ
僕を見上げつつも
なぜかさっき閉じたエレベーターの扉をちらっと見た
…今の人って
仕事の関係の人なの?…
｢…取引先の…
いつもは私が先様に伺ってるんだけど
今日はちょっとね」
少しだけヌナの目が泳いだ
あれ？
いつもは僕の目を見て話をしてくれるAヌナ
なのに今僕から目を逸らした
…なんだろう
やっぱり何かありそうだ…
｢…気になるわよねえ」
…わあっ
真子ヌナ
何だよ後ろからいきなり…!!
｢Aもう行っちゃったわよ｣
…分かってるよ!!…
｢昨日はご馳走様
また連れてってね
それでさあ
もうひとつ言っといてあげようかなって」
…何を…?
｢例の初恋の彼ってさ
さっきの取引先の人じゃないかなって…」
…マジ…!?
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ちゃみゅ(プロフ) - 実紅さん、また素敵な作品でした（涙）パパチャミをもっと見たいです(^-^) 素直な気持ちです(^-^) 私もパパチャミがほしいです(^-^) 妄想しちゃいました（笑） (2015年7月10日 0時) (
レス) id: 005a6f0c46 (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - 家事やって、育児やって、仕事して、小説までかける！素晴らしい!!偉い!!私も…小説書いてのとこが読んで…に変わるけど…忙しい。その中の癒しなんですよー♪だから、これからも無理せず、いっぱい書いてくださいな!?楽しみにしてるんですから!!!! (2014年3月25日 8時) (レス) id: 071643b309 (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - はじめまして。実紅さん…いつも更新楽しみ♪にしてます。通勤中にこんな素敵なお話かけるなんてビックリです(>o<)ありがとうございます☆ (2014年3月24日 0時) (レス) id: caab8c8f58 (このIDを非表示/違反報告)
14Bon(プロフ) - 実紅さん。１日が大~変忙しいとは（マジで）解りますが、ボチボチの更新でもいいので止めないで~！お願いいたします＼(__) (2014年3月23日 23時) (レス) id: 536a2c5e2a (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - なんか、朝掃除するのにコタツ布団めくったら、ﾕﾉの脱ぎっぱなしの靴下が丸まって出てきそうな(*´Д｀*) (2014年3月23日 22時) (レス) id: 1f30d9a8f5 (このIDを非表示/違反報告)
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