強くならなければ ページ18
次の日。
私たちは、一星くんが持ってきてくれた
オーストラリア代表の映像を見ていた。
……やっぱり、後輩に欲しい子だな。
この映像が本来のオーストラリアの
練習風景じゃないってことは知っているけども。
もしここで、みんなの前で、本物のオーストラリア代表の映像じゃないって言ったら信じてくれるだろうか。
ふと、こんな事が頭をよぎった。
まぁ、結局言えずにミーティングが
終わったのだけれども。
明日人先輩たちがまたお使いに行く中、
私は1人で自主練をしていた。
──どれくらい時間が経っただろうか。
｢強く…ならなきゃ。｣
私は、数十本というシュートを打っていた。
暇さえあれば自主練。それが私のモットー。
｢ねえA。最近無理しすぎじゃない？｣
秋ちゃんにそんな事を最近言われた。
確かに、私は無理をしている。
けど、無理をしてまで頑張らないと
今の日本代表に私は居られないし、居場所はない。
"妖花の舞"
私の最高傑作のシュートはこうやって生み出したんだ。
やっとの思いでできた必殺シュート。
だから、もっともっと威力を上げなきゃ。
夢中になっていたら、
いつの間にか周りは暗くなっていた。
急いで食堂に向かうとみんな
揃っていて私が最後だった。
作り笑いを浮かべて、私は椅子に座った。
たまたま隣の席が風丸先輩と円堂先輩だったので
私の作り笑いはまんまと見破られてしまった。
｢お前、寝てないだろ。｣
｢ね、てるし…｣
嘘つけ、とおでこにデコピンをかまされる。
｢まーた、作り笑いしてんのか？
まぁ、無理すんなよ！｣
｢…うん。｣
倒れない程度にな！と
円堂先輩にまでも心配されてしまった。
ご飯を食べ終わり、お皿を片付けて
マネージャーの先輩たちと洗っていると
秋ちゃんが私に話しかけてきた。
｢…ねえ、Aちゃん。
あんまり…無理するのも体に良くないよ。｣
｢…分かって、ます。｣
先日も言われたことをまた言われてしまう。
やはり、この3人は私のことを
なんでも分かるのだろうか。
無理もない。なんせ5年の付き合いだ。
3人とも私より2つ上だけども、
サッカーの練習などに付き合ってくれた。
だからこうやって、今でも良くしてくれているわけだ。
すると、ふと目が合う。
お願いだから、心配させないで───。
秋ちゃんから、こう言われたような気がした。
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れもん。(プロフ) - 虎倉瀬さん» コメントありがとうございます！これからも更新頑張ります (2022年10月11日 18時) (
レス) @page40 id: be79fbde0d (このIDを非表示/違反報告)
虎倉瀬(プロフ) - この作品の夢主ちゃん可愛くてめっちゃ好きです！！！これからも更新頑張ってください！！！！！ (2022年10月9日 9時) (レス) id: 65921fec64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん。 | 作成日時：2022年3月5日 0時
