side H ページ6
隣にはすやすやと眠るAが居る。
寝た途端、俺の肩に頭を乗せてきた、ほんと心臓に悪い。
｢悠、良かったな。｣
｢…覚えてろよトウマ。｣
ニヤニヤとこっちを見てくるトウマ。
それに重なって青波までもこっちを見てくる。
てか、こんなにAが騒いでるのに起きない峯岸が怖い。
｢(可愛いよな、ほんと)｣
トウマ達に見えないようにAの頭を軽く撫でた。
髪の毛に触れるとすっと落ちて来る。
サラサラだな、髪の毛。
俺と付き合ってるくせに、
相変わらず九条、九条ってうるさいけど。
"俺は、九条の知らないAを知っている。"
そう思うと優越感が得られて仕方がない。
九条に見せない顔も知ってるんだからな。
だって俺、Aの彼氏だし。
抑えきれない笑みを隠すように、手で口を覆う。
まぁ、マスクしてるから大丈夫だけどさ。
絶対九条には渡さないから。
そう言葉を込めて九条に視線を送った。
見ていることに気づいていないらしく、
イヤホンをつけて曲を聴いている。
｢…俺が、ついてるから。｣
そう、寝ているAに言い聞かせて
自分も意識を手放した。
未だに手は繋がれたまま、
頭をコツンと同じ方向に向けている。
no side.
｢はっっ……まって、｣
しんど…！！という声を上げたのは海花だ。
それに続き各々が振り返る。
｢写真撮っちゃお。｣
｢ふふ、起こさないようにしてくださいね｣
｢ほんと悠くんとAちゃんって仲良いよね！｣
｢龍、声大きい。｣
｢あ、ごめん！｣
TRIGGERのメンバー達ですら2人を見ていた。
｢ひゃーっ！モモちゃんキュンキュンしちゃう。｣
｢バン、僕の肩に乗せて寝てもいいんだよ｣
｢は？ユキ…何言ってんの？｣
｢バン、モモ、その目やめて…｣
やっぱりRe:valeは熟年夫婦でした。
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作者名：れもん。 | 作成日時：2023年1月5日 17時
