Episode1. ページ4
「……ん。」
ちゅんちゅんと雀が鳴いている。
もう朝なのか。
まるで、長い夢を見ていたようだった。
「っ゛…!?」
頭に電気が流れているような痛みが走る。
そう、吸血鬼の頃の記憶。
「…地獄で待ってろクソ野郎。」
…朝から口が悪いのは仕方ないと思ってくれ。
ベッドから降りて、制服に着替える。
ブレザーに腕を通して、スカートのチャックを閉める。
「よし。」
今日も、頑張ろう。
なんて、電車で学校へと向かった。
♢♢♢
「あ、Aおはよう。」
「莉央、おはよ。」
「同じクラスだといいね。」
「うん。」
そう、今日は新学期。
クラス替えの時期である。
「やった!同クラじゃん!」
「そうだね。」
「うわぁ、葛葉くんと叶くんもいる。」
…"葛葉"くんと"叶"くんとは?
「誰?」
「知らないの!?」
三大プリンスの2人らしい。
ごめん、知らない。
「葛葉くんは塩対応で有名。
叶くんはめっちゃ優しいの!」
「そうなの?」
良く、分からないけど。
その瞬間、ふと黒髪の男子と目が合った。
色気のあるその瞳に惹き込まれそうになる。
ドクリ、と私の中で凄まじい心音が鳴った。
……間違いない、彼は純血の"吸血鬼"だ────。
人間の身であるが為に、足が勝手に彼の方へと向かう。
1歩進んだ瞬間、我に返る。
…危ない、もうすぐで彼の
フェロモンにやられるところだった。
「…ってば、A!聞いてる?」
「…っあ、ごめん。なんかぼーっとしちゃって」
「大丈夫??」
「うん。じゃ、いこ」
「そうだね」
これは、普通の学校生活を遅れそうにないだろう。
そしていつか、私の前世も
気づかれてしまうのではないか。
415人がお気に入り
「2j3j」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れもん。 | 作成日時:2022年10月9日 18時