甘い瞬間 ページ10
どのくらい、たっただろうか。
花火の音が聞こえないくらい、心臓の音がうるさい。
見つめ合うだけで、こんなどきどきするの。
すると、悠がいきなり私の頬に手を添える。
｢今日、綺麗じゃん｣
｢な…っ、ありがと｣
｢何照れてんの、俺だって恥ずかしいんだけど｣
｢て、照れてなんか｣
照れてなんか居ない、そう言おうとした瞬間、
彼の顔が近くなる。
これって、もしかして
ゆっくりと、目を瞑る。
その数秒後、唇に柔らかい感触を感じた。
私は、これを理解するのに時間はかからなかった。
初めての感覚に身体は硬直し、 胸の奥がきゅんとなる。
｢んっ｣
｢顔、真っ赤じゃん｣
はっ、と優しく笑う。
自分だって、耳が真っ赤なくせに。
ほんとずるいよ。
｢…初めて、だったのに｣
｢へぇ｣
ニヤリと笑う悠。
随分と、余裕そうな顔だ。
もう、花火なんてBGMになりかけている。
悠は、こんなことして私の心をどうしたいのだろうか。
｢…悠は、私の事どう思ってるの｣
少し、上目遣いを意識して聞く。
私は、あなたの事が好きなのに。
キスまでして、嫌いって言われたら泣くよ。
｢俺は＿＿＿｣
｢あ、はるっちといすみん！！｣
答えを聞く前に、環くんが乱入してくる。
｢ちょ、バカほんとマジで二回目！！｣
時雨、止めて欲しかったよ。
｢ばっ、四葉！？｣
｢環くん…ちょっとタイミング悪かったね｣
｢俺達もここで見ようとしてたから、ごめん。｣
｢だから話しかけんなって言ったでしょうが！｣
環のKY!アホ！なんて叫ぶ時雨。
はは、こっちもこっちで仲良いな。
結局、悠の答えが聞けないまま、
文化祭は終わってしまった。
ねえ、悠。
私はあなたのことが大好きだよ。
でも、悠は私の事…どう思ってるの。
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れもん。(プロフ) - miyaさん» 閲覧ありがとうございます！そう言っていただけると書いてる側としても嬉しいです(˶˙ᵕ˙˶) (2022年10月8日 16時) (
レス) id: be79fbde0d (このIDを非表示/違反報告)
miya - 前作から読ませていただきました!悠が可愛くてにまにましちゃいました!! (2022年10月7日 7時) (レス) id: 20df3662ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん。 | 作成日時：2022年10月6日 23時
