俺様なんかじゃないんです！(アイナナ)(男主)

Ep37 ページ38

ｺﾝｺﾝ『失礼します。叔父さん。』





叔「お、Aか。

あ、映画、オーディション合格おめでとう。
もうAはうちの稼ぎ頭だよ。あんな、いい映画にでるなんて！」





社長室に入ると叔父さんが書類をペラペラとめくっていた手を止め、嬉しそうに笑った。




『ありがとうございます。叔父さん。


映画頑張ります！！』





叔「うん、その調子でよろしくな！



ところで、どうしたんだ？」







『それなんですが、、


あの、叔父さん、
僕の仕事量を増やしてくれませんか？』







叔「…それは、お母さんの治療代を払うためか？」






『はい。今のままじゃお金がたりないんです、




お願いします！！』





僕は頭を下げた。

しかし、叔父さんは、うーん、と頭を捻ってしまった、






叔「Aはもう既に他の人より仕事量が多い。

これ以上増やすとしたら多分思っているより何倍もキツイ。本当に大丈夫か？」






『はい！大丈夫です！』






叔「……分かった。


僕も協力するよ、姉さんのためだしね。」





『ありがとうございます！』





どんなにキツくたってやってやる！

母さんのために。自分のために。






『それでは、失礼します。』






叔「あっ、ちょっとまって。A」





社長室を出ようとドアの方へ振り向くと叔父さんに呼び止められた。





『はい、なんですか？』





叔「さっきまでの話は凛堂事務所の社長として、そしてAの上司としての話だ」





『はい？』






叔「そして、次はお前の叔父さんとしての話だ。









……A、誰かを泣いてもいいんだぞ。

俺でも、マネージャーでもいい、我慢するな、甘えていいんだ」





叔父さんが優しく言う。





『…！……はい、分かってます、



叔父さんも体調気を付けてくださいね。
では、失礼します。』






一礼をして社長室の扉を締める、








そして、その足のまま練習室へ入り壁にもたれかかるように座った。







息を吐くと、今までせき止めていた涙が一気に流れた


“泣いてもいい”


思えば、お母さんの話を聞いてからずっと泣いてなかった


そんな状況じゃ無かったからかもしれない






でも、今実感した。









…









家族がいなくなるかもしれない…

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