17(singo) ページ18
Aはあの時起きていた。
覚えていた。
気付いていた。
それだけで俺の心は尋常なくらい乱された。
・
だったら、
キスされたことも気付いてたんやろうか。
気付いてた筈や。
でもAは、
これからのことも、俺たちの関係の事も考えて
気付かないふりをしているのか。
・
俺をAの手でぶん殴ってほしかった。
そんな優しさいらなかった。
こんな汚れた自分が、いとこのAに道を逸れたようなことをして
こんな汚れた自分を知っているAが、前と変わらず俺に笑いかけて、話しかける姿が
どうしても責められているように感じた。
・
なんなら泣けや。怒れや。
被害者面してや。
純粋なAが笑ってると、自分がどんどん汚れた人間だって
後ろ指差されてる気分になんねん。
キスなんて、
するんじゃなかった。
だったらこんな、罪悪感も不安も、苦しみも
感じることなんてなかったのに。
布団にもぐりながら
そんな風に思っていた。
・
「信ちゃん、今日はどうするの?」
「…っえ、なんが?」
「いや……遊びに行くんでしょ？
どこに行きたいかなーって。」
美里さんが焼いてくれたハムエッグをフォークにさしながら
俺は目を泳がせた。
行きたい場所、なんてそんな余裕なかった。
『A、
信五くん、東京で行きたいとこなんてよくわからないでしょ?
自分が楽しいとこで、遊んで来たら?』
Aが楽しかったら、きっと信五くんも楽しいはず…って
美里さんがそういった。
・
『信ちゃん、遊ぼ!』
『サッカーしようや』
『いや』
『なんやねん』
『お絵かきしたい』
『えー、嫌や』
『Aは嫌じゃないもん』
結局、二人でどっちが上手いか対決したり
絵しりとりしたりして
『これ何の絵?』
『これはねー、信ちゃん』
『指が６本あんねんけど!ｗ』
楽しかった。
何しても楽しかった。Aがいれば楽しかった。
コイツが笑ったら
あぁもうえぇわ。ってなって笑みが零れた。
あぁ、俺はこの笑顔があれば、何だってできるな、って
小さなときから思っていた。
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∞村上信五娘∞ - 可愛い！面白かった。 (2015年1月16日 10時) (
レス) id: 7ad74dddfa (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 錦倉栄華さん» コメントありがとうございます(*´ー｀*)私も村上さんのお話をかけてよかったです!あの男らしい感じが好きなので…(笑)← 私も、また村上さんメインで書きたいと思っています♪これからおまけもあるので、よろしくお願いします(*´∀`)♪ (2014年3月20日 21時) (レス) id: adbefb6115 (このIDを非表示/違反報告)
錦倉栄華(プロフ) - 信ちゃんの小説少ないので、この小説に出逢えてよかったです！ また、信ちゃんで書いてくれると嬉しいです！ (2014年3月20日 20時) (レス) id: 939440697d (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - きっくさん» ありがとうございます(*´ー｀*)きっくさんのコメント、いつも嬉しかったです! 切なくなってしまいましたがﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞということで!!← おまけもあるので、もう少しお付き合いよろしくお願いします(*´∀`)♪ (2014年3月19日 18時) (レス) id: adbefb6115 (このIDを非表示/違反報告)
きっく(プロフ) - うわ！うわ！もうー。(笑)ウルウルですよ私(笑) (2014年3月19日 18時) (レス) id: d8d74fe759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミク | 作成日時：2014年1月8日 20時
