ブルームーン (ページ3)

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3話ページ3

それから何ヶ月か経っても私と彼の関係は変わらない。
変わったのは、彼が他の女のものになったことだけ。
ジョディ・スターリング
彼女は穏やかで聡明で、美人だ。

付き合い始めたことを知った時は苦しかったけれど、ジョディとも仲良くしていたし、私よりよっぽど彼にお似合いなのだから嫉妬したって仕方がない。
そう、思うのに…
とても苦しい

シュウ…
ジョディは彼のことをそう呼ぶ、私だってそう呼びたいのに恥じらいや余計な感情が邪魔をして、どんなに仲良くても赤井呼びから抜け出せない。
A、彼は私を名前で呼んでくれるのに

目の前で笑い合う2人がすごく輝いていて、口先だけの祝福で心の中に黒い感情を抱いている私とは大違いだ。
彼は私のそんな感情に気づいているから選んでくれないのだろうか、、

切れ者の赤井より先に黒の組織へスパイをすることに決まった私は、少し気が軽くなった。
もうしばらくは、あの二人を見ずに済むのだ、彼から距離を置けばこんなに悩み苦しむこともないだろう。

「A、気をつけろよ…」
「大丈夫、ヘマなんてしないわ」
「違う、俺が心配しているのはお前の事で…」

どうしてそんな優しい言葉をかけるの
私じゃない女を選んだくせに
だから私はいつまでも彼を諦められないでいるって言うのに

「ありがとう、それじゃあね秀一」

可愛げのない女だ、私は本当に