【アイナナ】八乙女楽の妹は超がつくほどの人見知り【十龍之介】 (ページ6)

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あの日以来、彼女は自室に引き籠るようになった。
龍之介と天が彼女の元に訪れても姿を見せることはなく、兄である楽も同じだった。

珍しく完全にオフの龍之介と楽は今日も楽の家で過ごしていた。(天は個人の仕事がある為、この場にはいない｡)

「…A…､」

結局この日も彼女は姿を見せることはなかった。どうしてこんなことになってしまったのか、未だによく分からないままでいた。

「…もう一回､Aちゃんの所に行ってくる｡」

何か決心したのか、龍之介はソファから立ち上がって彼女の部屋と向かっていくのを楽はただ見てるだけだった。

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「Aちゃんお願い､部屋から出てきて?このままだと楽が…」

楽には悪いが一か八かだ。もしかしたら出てきてくれるのではないのかと考えるがそれは思わぬ形で裏切られる。

数分の間を置いて彼女の部屋のロックが解除された。けれど彼女が出てくる様子はなく、ドアのロックが解除されただけだった。

「(多分、入れってことなのかな…)」

恐る恐ると、龍之介はドアノブを回し、彼女の部屋へと入っていった。

「!!…Aちゃん…ｯ…」

短かった髪は肩ぐらいに伸びており、所々赤く染まった包帯が両手首に巻かれていた彼女の姿があった。

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