【アイナナ】八乙女楽の妹は超がつくほどの人見知り【十龍之介】 (ページ37)

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壮五side

「そーちゃん、どうした?」

「え、いや…、向こうの方で何かが崩れた音がして…」

「ふーん、なら行こうぜ。」

「え、ちょっと、環くん!?」

只々、このときばかりは環くんに感謝した。もし行ってなかったら大変なことになってたと思う。

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近づいていくにつれ、通りかかる人の数が多くなっていく。いったいこれはどういうことなんだろう。

階段の近くにくると機材の破片が散らばっており、その中には数枚の楽譜。…いや、まさか…。

「なぁ、…あれ、…そーちゃん?」

「環くんはそこで待ってて。」

「え、そーちゃん!?」

落ちている破片に気をつけながら階段を降りていくと、その光景に唖然としてしまった。

「ｯ…Aちゃん…!!」

急いで機材を退かして彼女の脈に手をあてる。
…よかった、まだ脈はある。…けど、いったい何があったんだろう…。

それから数分後に救急車が来てAちゃんが運ばれると、八乙女さんには悪いことをしてしまったけど咄嗟に家族の方ですと嘘をついて一緒に乗せてもらった。環くんには八乙女さんに伝えにいってもらったから大丈夫だと思う。

「…(…Aちゃん…)」

ひたすら、彼女が助かることを祈り続けた。

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