【アイナナ】八乙女楽の妹は超がつくほどの人見知り【十龍之介】 (ページ3)

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TRIGGER とIDOLiSH7 が共演する番組で、今日はその収録日だ。何度か共演したことがあるため、緊張することもなく、無事に収録し終えた。

ふと、龍之介はスタジオの隅で震えている彼女を見つけた。

「Aちゃん、」

『ひっ………つ、十さん……?』

「怖がらなくて大丈夫。」

彼女を落ち着かせようと背中をさする。そして次第に彼女の震えが止まっていった。

『…ありがとうございます…。もう大丈夫です。』

「なら良かった。」

彼に迷惑をかけてしまった。そのことが酷く自分を突き刺していく。ありがとうっていう言葉よりもごめんなさいの言葉しか出てこない。

こんなつもりじゃなかったのに、出てくる言葉は全部謝罪に関するものばかり。もうこれ以上誰にも迷惑をかけたくなくて、彼に謝罪の言葉を述べた。

『…すみません…。十さんに迷惑をかけてしまって…』

「迷惑なんかじゃないよ。むしろ頼ってほしいな。」

そんなこと…出来ない。頼ることなんて自分にはできない。胸が圧迫されるような感覚…。でもそんなことはどうでもよかった。

頼ることなんて出来ないけれど、断ってしまえば罪悪感だけが残る。だから、…軽く、頷いた。

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