【アイナナ】八乙女楽の妹は超がつくほどの人見知り【十龍之介】 (ページ16)

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『…知ってたよ。あの人が私のことを欠陥品呼ばわりしていること。』

「「 ⁈ 」」

家にいる筈の彼女が自分達の会話を聞いていたことに二人は呆然としていた。

「な、なんでAが此処に…、」

『姉鷺さんに楽譜を届けに行こうとしたときに楽屋から兄さん達の声が聞こえたから…。』

二人に言った通り、姉鷺に届けに行く途中であっただろう彼女の手には少し厚めの楽譜の束があった。

『…でも、もういいんだ。…"たとえ私が血の繋がってない家族だとしても"…』

「……」

『…私のことは大丈夫だから、…兄さん、十さん。…仕事頑張ってください。』

引き留める間もなく、彼女は楽屋を出て行き、彼女がいなくなった楽屋の中は静寂と化していた。

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