あしたは

めいわく ページ10

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目を覚まして見た初めての景色


瞬きをしながらここはどこかを思い出す




私、床で寝てた？

でもあの写真立てどこかで見た気が.......



『どこ？』




今の時間は 8:37 西島さんのお迎えまではまだ時間がある



って、思い出した！ここ西島さんのご自宅だ！


担当してるアーティストの自宅の床で寝るマネージャーなんて聞いたことないし

考えるだけで冷や汗が止まらない






西「あ、いた」





帰って身支度しても迎え時間に間に合うと考えていたら西島さんが起きてきた


今まで見ることがなかった西島さんの寝起きを見たことに、なにかとても悪い事をした気持ちになる




『お、おはようございます
あの、その、本当に すみませんでした！！』





西「ソファーから落ちたの？」


『はい？』


西「昨日せっかくソファーに上げて上げたのに」


『え"..............』







腰が心配な西島さんに私が持ち上げられたってこと！？


ほんとに、昨日の私は何をしてるの....




西「シャワー浴びてく？
冷蔵庫何も入ってないからなにか買ってこよっか」


『いやいや、1回帰っても時間は間に合いますから！』


西「あ、そう？車地下の駐車場にあるよ」


『え".............』







『なにからなにまですみません。』


西「なにが？」




寝起きでぼやけた空気が張りつめた気がした




『ご迷惑をおかけしました。』



西島さんの前を通って、ご自宅を出た







地下の駐車場に着いて気がついた




『あ、車の鍵........』


西「おい。手間取らせるなよ」


『すみません』


西「迷惑だったら泊めてないし、ここまで持ってきてやんねーから」





意地悪そうに目を見て笑ってくれた





西「あ、でも次は危ないからいざこざに割って入ってくるなよ？」


『行きますよ！大事なタレントさんですから』


西「マネージャーっぽいこと言うようになったじゃん」




そう言って、部屋に戻って行った









『マネージャーですから。』


自分に言い聞かせるように

一時の迷いで気が緩まないように

そっとつぶやいて、自分の耳で確認する









夢の普通の会社員は遠のいていくばかりですが

私は西島隆弘さんのマネージャーを務めさせていただいてます









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