愛する人へ (ページ39)

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「おはようございます。体調どうですか？」

西「うん、なんとか大丈夫だと思う。風邪薬効いたし」

「それはよかったです」

ダンサーさんと話す様子もいつも通り楽しそうだけど打ち合わせになると発言にキレがない

さりげなくフォローしながら話し合いを進めていく

少しの休憩の間にダンサーさんが小さめな声で話しかけてくれた

ﾀﾞﾝｻｰ(樹ちゃん、にっしー体調悪い？)

「どうかしました？」

きっと西島さんは周りに心配かけたくないと思ってしまう人だから、申し訳ないけど作り笑顔で誤魔化す

ﾀﾞﾝｻｰ(なんかいつもより足の動きにキレがない)

「そうですか、大丈夫だと思いますけど気にしておきますね！」

あたかも「気が付きませんでした！」みたいな反応してこの場を収める

西「なんて？」

ダンサーさんとの話が気になった様子

西「なに話したの」

「少し調子が悪そうって言ってましたよ？
やっぱり見てる人は見てるんですね。
気合い入れて頑張ってください」

西「あははっ、頑張るがんばる」

西「ｺﾎｯｺﾞﾎｯ」

咳も出てきて呼吸が粗くなってきた

見てるだけで辛そう

体調悪いのを知ってるだけにもっと辛そう

西「おーわったよーー！」

ダンス後に着替えて終えて帰る支度をしてる間に車を準備する

乗り込んできた西島さんは熱のせいでテンションがおかしい

「着きましたよ」

車内で寝込んでしまってビクともしない

なんとか担いでオートロックを解除、エレベーターに乗る

西島さんがスリムな方でよかった

「西島さん、大丈夫ですか？」

西「ムリー」

おそらく1人暮しの西島さん、この様子だと彼女さんとかいたら来てもらった方がいいよね

「西島さん、彼女さんとか誰か来てくれる人いますか？」

西「いない」

「じゃあ私で勘弁してくださいね」

もう動けない西島さんを上着、靴を脱がせて脱衣場に向かう

「汗流してきてください、しっかりしてください！」

なんとか西島さんをお風呂に入れて、私はお粥と市販だけど薬の準備

お風呂が終わった西島さんの着替えも手伝う

火事場の馬鹿力で男の人だろうとなんだろうと支えて寝室まで連れていく

本当は今お粥食べて薬飲んでもらうのが1番なんどろうけど、もう限界そう

西「ありがとう」

目がうつろで呼吸が苦しそう

「今日までよく頑張りました」

心から感謝をこめて、次に目が覚めたとき少しでも元気になっていますように