愛する人へ (ページ30)

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西島side ページ30

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高「碧くんインフルエンザじゃなかったって」

西「よかったねー。今流行ってるもんね」

樹ちゃんがいないとなんか寂しい

高「うん、ほんとよかったよ」

西「って、オレそんな相談一言もされてない！」

高「嫉妬？」

西「いやいや、ふつうオレに言ってから帰るでしょ」

確かに嫉妬かもしれない

高「きっと動揺してたんだよ。樹ちゃん頼る人も少なそうだし」

西「今日お見舞いに行こうかしら」

高「熱もらってこないでよ。溜まってるんだから」

西「なにが？」

高「仕事だよ！し！ご！と！」

高坂さんから樹ちゃんの家を聞いて

一応、看病セットも買って

いざ突撃！

呼び鈴鳴らすと、ﾄﾞﾀﾄﾞﾀっと足音が聞こえた

「はーい.....……え"!?」

西「きちゃった！」

「西島さん……とりあえず寒いので入ってください」

西「お邪魔しまーす」

「散らかってるのであんまり見ないでくださいよ！」

西「オレの家よりキレイだよ」

さっき買ったものを渡すと

「あ、ぶどうゼリー！全部食べちゃったので助かりますー！」

みかんと迷ってぶどうにしてよかった

「こっちで手洗いとうがいしてください」

脱衣所と一緒になってる洗面台に通された

鏡越しに下着が干されてるのが見えて……

「あ！」

急いで隠された

真っ赤な顔して

「み、見ました？」

って聞かれるけど、意地悪して

西「中身がないと興奮しないからね」

と返したら余計に耳まで赤くなっちゃった

樹ちゃんかーわいー！

「西島さんにうつす訳にいかないので、これ飲んだら帰ってくださいね」

暖かいココアを出してもらった

開きっぱなしのパソコンには海外ロケを予定してるところの写真とか現地の情報が見えた

西「これなに？」

「あ、それ相談しようと思ってたんです！」

それから仕事の話になって、ココアを飲み切ったことにも気が付かないくらい話し込んでしまった

話にひと段落ついて、そろそろ帰ろうと思ったのに

「これじゃあいつもと変わりませんね。私たち」

いつもと変わらないって、いつもと違う関係になりたいってこと？

あーあ、今まで我慢して顔に出さないようにしてたのに

樹ちゃんの言葉が

ずっと奥に閉まってたオレのスイッチを入れたんだよ

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