碧くん ページ11
.
「椋!!」
いつもポストに隠してあるスペアキーで勝手に開けた
相変わらずアイディアが詰まった紙がちらかっている
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」
椋「あー いまやっと寝付いたと思ったのに」
「ご、ごめん」
よしよし と、赤ちゃんを抱っこしている椋
「その子.....」
椋「ほら 碧、お前のおばちゃんだぞー」
くしゃくしゃに泣く かわいい赤ちゃん
この子が、仁の子なんだ
「碧、ちゃん?くん?」
椋「碧くんだよ、1歳と1ヶ月くらい」
悪いとは思いつつ、仁の部屋をあさった結果
大事なものが保管されてる引き出しから
碧くんの母子手帳、保険証
キッチンには粉ミルク
消耗品のストック場所にはトイレットペーパーの横に紙おむつ、お尻拭き
仁、本当に子育てしてるっぽいな
しばらくして碧くんは泣き止んで眠ってしまった
その隙に 碧くんをそっと抱っこした
重い、ほっぺ ふにふにしてる。かわいい
「てっきりちゃっかり椋の子どもだったりしない?」
椋「バカか、オレ彼女いるし」
これも初耳だ
「もー 全然連絡つかないよー」
仁が嫌いな スタ爆に留守番電話も入れてやった
椋「今日も明日も打ち合わせ入ってるんだけどなー」
打ち合わせとは
オーダーメイドでウエディングドレスのデザインをしている仁が花嫁さんと話し合うこと
仕事だけはしっかりしてる仁が約束をすっぽかすなんて滅多にない
「なにか知らないの?」
椋「いや、あー、えーーっと」
椋「もしかしたら、仁 また連れていかれたかもしれねぇ」
「えーーーーー また?」
それを聞かされたらため息しか出ないよ
ブライダル会社を経営している父
仁を跡継ぎに考えてるみたいで
人手不足のヘルプとして仁を誘拐するのは昔から不定期で多々あった
「前回はどのくらいだっけ?」
椋「3ヶ月」
「その前はー 2週間」
んー、どのくらいで帰ってくるのか全然よめないな
椋も彼女さんいるみたいだし
「碧、仁が帰ってくるまで私が育てる」
椋「本気か!?」
「うん、本気。
私だって仁に育ててもらったようなもんだもん」
少しは兄孝行しないとね
椋「仕事はどうすんの」
「私の部屋の近くに ひまわり園ってあるでしょ?」
椋「あー、あったっけね」
「身寄りのない子も生活してて、夜遅くまで預けられるはずだから明日仕事 終わったら行ってみる」
.
61人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miku0829 | 作成日時:2019年1月26日 3時