23:サプライズ ページ23
*
今……名前で呼ばれた……？
どうしよう、嬉しい
ﾄﾞﾝﾍから呼び捨てにされると、なんでもない名前が特別に思える
少しだけ、さっきより早いﾄﾞﾝﾍの鼓動が背中に伝わる
もしかして、ﾄﾞﾝﾍも緊張してる？
あたし……息を忘れるくらい、緊張してるよ？
胸の前で組まれたﾄﾞﾝﾍの手にそっと手のひらを重ねて
ぎゅぅ…と握りしめた
「ﾄﾞﾝﾍ…？」
「このまま…聞いて？」
「……うん…」
さっきよりまた、伝わる音が早くなって
あたしの心臓もそれに合わせるように早くなる
すぅ、と…
耳元で、ﾄﾞﾝﾍが小さく息を吸った
「オレには…Aだけだよ？他は何もいらない
Aが側にいてくれるだけで安心できるし、幸せなんだ
付き合い始めてまだそんなに長くはないけど
今までよりも、これからの時間を長く一緒にいたい」
ふと窓を見ると、ガラスのこちら側に映るﾄﾞﾝﾍの顔が見えた
あたしを、窓越しに見つめるその顔が
まるで泣いてるように見えて、思わず息を飲んだ
抱きしめてた腕の力がそっと抜けて
もう一度向かい合うように向かされて、今度は直接見つめ合う
す、と＿
あたしの前に膝まづいたﾄﾞﾝﾍはあたしの手を取った
「ﾄﾞﾝﾍ…？」
「A……受け取って？」
「……え？」
何を？
そう言おうとして、視線を落としたあたしの目に飛び込んできたもの
それは…
いつの間に嵌められたのか、薬指に煌めく小さなダイヤのリング
「……これ！」
「こんな小さいのでごめんね…」
困ったように眉を下げてあたしを見上げるﾄﾞﾝﾍに
あたしはただ首を横に振ることしかできなくて
「やだ…ちゃんと見たいのにボヤけて見えない(泣)」
「いつかもっと大きい石がドーンと着いたの買うよ」
「いらな…い…」
「え！？受け取ってくれないの！？」
「ちが…バカ！これがいいって言ってるの！」
「あー、よかった。じゃあ受け取ってくれるんだね？」
「うん…(泣)」
今度は縦に首を何度も振ってﾄﾞﾝﾍの手を引っ張って立たせて
ぎゅっと抱き着いた
「バカ」
「うん」
「愛してる(泣)」
「知ってる(笑)」
「…でもなんで…」
「ん？」
「なんで今日…？」
「はぁ…やっぱりか」
「え…？」
「A、今日が何の日か知らないの？」
「何の日って…あ！」
「オレたちが」
「付き合い始めて」
「「100日目」」
なんて素敵な、サプライズ……(泣)
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらこ(プロフ) - なおさん» たまちゃんありがとう( ´ ▽ ` )ﾉ (2015年5月14日 13時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - たまです！よろしくです！！ (2015年5月6日 10時) (レス) id: 16c897f07e (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - myeongmiさん» myeongmiさん、コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉそう言っていただける私こそ、幸せです（ ; ; ）ありがとうございます！次のお話も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2015年3月21日 12時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ミナさん» ミナさん、コメントありがとうございます！ホント、夢でもいいからこんなかっこいいﾄﾞﾝﾍさんと同じ会社で働いてみたい！！次のヒョクちゃんのお話も楽しんでもらえるように頑張ります！！ (2015年3月21日 12時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ようこさん» ようこさん、レスが前後しちゃってごめんなさい(>_<)コメントありがとうございます！リーマンﾄﾞﾝﾍさん、楽しんでもらえて嬉しいです！次のヒョクちゃんのお話も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2015年3月21日 12時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2014年11月22日 18時
