28:また今度 ページ28
*
「ここは……長いんですか？」
「え？」
「あ！すみません、いきなり失礼ですよね、いいんですお代は…」
「この店ね、息子達が持たせてくれたのよ」
「………いい…息子さんたちですね」
「でしょう〜？自慢の息子たちなのよ」
そう言ったお母さんはとても幸せそうで……思わず泣きそうになった
「この子ともう一人下にいるんだけどね。甘えん坊で泣き虫で…
なのにいつの間にか大きな会社で営業マンなんかして
お酒も飲めない、口ベタで頭も良くないのに頑張ってねえ」
「………」
「もう6年目だっていうのにまだ会社の寮で厄介になって
この店のお金だってもうなんとかなるのにずっと払ってくれて」
「ステキな…方ですね」
「あらやだ、こんな話、興味ないわよね」
「いえ、全然！すごく、ステキで………(泣)」
「ちょっとあなた、どうしたの？」
だめだ……ﾄﾞﾝﾍの話聞くだけで泣けてきちゃう……
「なんでもないんです……(泣)すみませ…っ」
「何があったか知らないけど……
こんなかわいいお嬢さんを泣かせるなんてひどい男がいるものね」
「違うんです！あたしが……あたしがいけなくて…(泣)」
こんな優しい言葉をかけられて…
私の涙腺はついに崩壊してしまった
お母さんは、ひたすら泣いている私の横に座ってただ黙って背中を摩ってくれた
「すみません…」
「落ち着いた？」
「はい…」
「話せる範囲でいいから…話してみない？」
「………あたし……好きだって言われたんです。でも…
彼はみんなから人気があって優しくてまっすぐで…
あまりにストレートだったから…自信がなくて…
だけど……誤解して、酷いこと言って傷つけてしまって……もう…
手遅れに……(泣)」
「……手遅れなんて、そんなことはないわよ。生きてさえいれば…」
「え……」
「生きてさえいれば、何度だってやり直せる。
あなたはまだ若いし、これからなんだから
自分の気持ちに正直に、ぶつかって行けばいいのよ」
「まだ………大丈夫でしょうか」
「大丈夫！私が保証するわ！もしダメならうちの息子のどっちかとどう？」
「え！？」
「オンマ、何言ってるの」
「あは、冗談よ！」
「(笑)」
「またいらっしゃいね、今度はその彼と」
「はい」
結局、残り物だからとどうしてもお代を受け取ってくれず
何度も何度も頭を下げる私を、お母さんはずっと見送ってくれた
もしも……ﾄﾞﾝﾍが許してくれたら、今度は一緒に来ます
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さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉこれからもよろしくお願いします♪ (2014年11月24日 21時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、ありがとうございます♪引き続きよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年11月24日 21時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 読めました。更新楽しみにしています。 (2014年11月24日 21時) (レス) id: a4dd4acfd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 見れました！ 本当、続きが読めて嬉しいです！ (2014年11月24日 19時) (レス) id: 6061a04eaa (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、新しいお話読めてますか？編集中だったのでパスワードをかけさせてもらってました。言葉足らずですいませんでしたm(._.)m (2014年11月24日 17時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2014年9月24日 19時
