1+1=LOVE〜Donghae〜

26:いつの間にか ページ26

*



「とにかく早くﾄﾞﾝﾍヒョンには立ち直ってもらわないと
宿舎がお通夜みたいで息苦しいんですよ。干上がった魚見てるみたいで」

「ｷｭﾋｮﾅ！！」

「魚………(汗)」

「こほん(笑)
まぁ、あいつは変な駆け引きとか姑息な手を使うようなヤツじゃないです。
バカが付くくらい、ホントに不器用なヤツなんです。
それはAさんもわかってるんじゃないですか？」



ﾄﾞﾝﾍ………

あたし………



「あたし……ﾄﾞﾝﾍに謝らなくちゃ…」

「…………オレたち、これで失礼します」

「ﾋｮｸﾁｪさん！ｷｭﾋｮﾝさん！ありがとう！！」



今すぐ、ﾄﾞﾝﾍに会いたい………！



私はデスクに戻るとバッグを掴んで走った



今日は確か、商品の搬入と設置で先方に朝から詰めてたはず。



走りながら腕時計を確認する


早く行かないともう帰っちゃうかも(汗)


会社の前でタクシーを拾うと行き先を告げた



「急いでください！お願いします」



あたし………


怖かった


「ごめん」って言われるのが………


今までの事は全部嘘だったって言われるのが………


あたし…………


いつの間にかこんなにも、ﾄﾞﾝﾍを好きになってた



溢れそうになる涙を指で拭って窓の外の流れる景色を見つめながら


思い出すのはﾄﾞﾝﾍの屈託のない笑顔


そして、あたしを抱いた時


あたしを見つめる瞳


あたしを呼ぶ声


そのどれもが心の中を満たしていく



早く………会いたい






転がるようにタクシーから降りて裏口へ回る



間に合った？


もう一度腕時計を確認して…


まだ出てきてない…？



ふと、ショーウィンドウに映る自分を見てギョッとした



急いで出て来たから


髪もメイクもぐちゃぐちゃで……



柱の陰で身支度を整えていたその時



「あ〜終わりましたね〜！」

「うん、お疲れ」



ﾄﾞﾝﾍと、後輩のジヨンが裏口から出てきて思わず隠れてしまった



「オッパ、もう外に出たんだし、そう呼んでいいでしょ？」

「え？ぁ、あ……」

「これから、打ち上げしましょうよ！」

「え？でも疲れてるんじゃないの？」

「全然平気ですよ〜？ね？ 行きましょ〜？」



行かないで

そう、声をかけたい



でも……



「そう……だね。行こうか」

「わーい、どこ行きます？私は〜」



ﾄﾞﾝﾍの腕にその細い腕を絡めて寄り添って

それを受け入れているﾄﾞﾝﾍを見たら

あたしはただ、2人を黙って見送るしかなかった




*

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