143 ページ43
そのあいだに僕は何をしていたんだろう。
ろくに連絡もとらずただただ自分の道をおっていて、大切な家族のことをちゃんと見れていなかった。
ひどいのはどっちだ。
「ソンミン、ごめんねごめんね」
「さっきまでの強気なヒョンはどこに行ったの」
少し笑いながら項垂れる僕の頭をポンポン叩くソンミン。
もう、どっちが兄なんだろう。
「でも、隠し事したことには怒ってるからな」
「ヒョン覚えてる？
僕達ずっと一緒に警察官目指してたのに、ヒョンは僕に隠して勝手にビッグヒットのオーディション行っちゃったの。」
「そんなのっ、」
そんなの、病気を隠していたことと比になんかならない。
「そんなの、じゃないよ。
僕の一人称がボクなのも、ヒョンが自分のこと僕って言ってたからだし。
その、警察官になるっていう夢だってヒョンが目指してたからだよ。、
ジミニヒョンは僕にとってずっと憧れの存在だった。
だから、最後の僕のお願いオンマに聞いてもらったんだ。
なるべく長くヒョンの踊ってるところ見ていたいって」
ソンミンが長く喋ったから、息苦しそうに息を吐いた。
「ごめんね、ジミナ」
オンマが泣きながら僕の肩に手をかけた。
謝らなきゃいけないのは僕なのに。
悲しさと悔しさが最高潮に達して言葉にならない。
それがまたさらに悔しさをあおる。
「うっうっ、、」
ソンミンの方が泣きたいはずなのに。
ピーーーー
突如ソンミンに繋がれていた機械音から大きな音が鳴った。
"先生"と大声で呼ぶアボジの声が、どこか遠くに聞こえる。
なぜかもう終わりだと最後だと思った。
ソンミン。
僕の大事な弟。
「オンマ、アボジ、」
荒い息遣いで言葉を絞りだしているソンミン。
オンマとアボジが急いでソンミンの側によった。
「産んでくれてありがとう」
そんな最後の言葉みたいなことをソンミンが言うから。
せっかく涙を耐えていたオンマがついに堰を切ったように泣き出した。
目が虚ろになってきたソンミン。
あぁ、ソンミン。
「ヒョン、_______________」
____________________________________
"優しい優しいヒョン。ずっと優しいヒョンでいてね"
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ムール貝 - あの…この小説、一から見ようと思って作品欄で狂愛1とか2を探したんですけど無くて…消しちゃいましたか…？ なんか、すいません……！！！ (2020年3月15日 21時) (
レス) id: 8e13a950e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヒ - メンバー全員を均等にしかも読み込みやすく書かれていて感動しました！最初は結構主人公に情が移っていたのですが今の展開でもう既にメンバーと主人公との関係の深まりに涙腺崩壊寸前です(語彙力) (2019年7月11日 23時) (レス) id: 620040a8de (このIDを非表示/違反報告)
ハウン - キスん所、めっちゃ好いーとよ！ (2018年4月3日 2時) (レス) id: 57e7df4311 (このIDを非表示/違反報告)
* * 泡夢 * *(プロフ) - みよさん» ありがとうございます()続編も応援してます！！ (2018年1月31日 0時) (レス) id: 942486a6d8 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - * * 泡夢 * *さん» 私も負けません(><) (2018年1月30日 21時) (レス) id: 5620a473a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みよ
| 作成日時：2017年10月16日 22時
