狂愛3

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あー。



怒れる、怒れる、怒れる。



腹が煮えくり返って仕方がない。





撮影は無事に終了し、大方片付けも済んだ。




ブイさんも既に控え室に戻っていて挨拶を終えたあたしもブイさんの元へと向かっていた。





普段は必ずノックをするけれど、今はそんな場合じゃなくて思いっきりドアを開けた。




中にはブイさんしかいなくて急に入ってきたあたしを見て驚いていた。




TH「ノックぐらいしろよ。常識ないね」




携帯をいじりながらあたしに冷たい言葉を吐くブイさん。





怒れる、本当に。




「すみません、今それどころじゃ無かったので」





いつもと違うあたしの様子に気づいたのかブイさんが携帯から顔を上げた。





もう単刀直入に聞こう。




「ブイさんかあたしを嫌う理由って何ですか」




TH「は？何急に」



「いいから答えて下さい」




TH「はっ、そんなの決まってるじゃん。お前が日本人だから……




「それ、本当ですか？」




ブイさんの言葉を遮り被せて聞く。




黙り込んだブイさん。



その隙を狙ってあたしはブイさんに思いをぶつけた。




「あたしと誰かを被せて見てるんじゃないんですか」




ねぇ、そうでしょう？



ブイさん。




ガタッと目を見開き立ち上がったブイさんはあたしに近づいた。




「いっ」




そしてあたしの前髪を引っ張る。



痛い、痛い。




どこか余裕のない表情のブイさん。




TH「お前なんでその事知ってる」



至近距離にあるブイさんの目を睨みながらあたしも負けじと言いかえす。



当たりじゃん。



「そうやって言うってことはやっぱりブイさんはあたしと誰かを被せて見てるんですね」




やられた、



そう顔に出したブイさんはキョロキョロと視線を惑わしだした。






あたしの髪を持っていた手の力も緩んでいく。




そんな理由であたしは、



「誰かに似てるってだけであたしはあんなに毎日殴られて蹴られて………苦しい思いをしなきゃいけなかったんですか！！！！！」




叫ぶ。




叫んでも叫んでも怒りは収まらない。






「痛かった」




毎日殴られて、自分の何がいけないのかさっぱり分からなかった。




"日本人だから"


そう言われば何も出来なかった。


だって人種なんか変えれない。



「努力すれば直せるんだったら、なんで言ってくれなかったんですか！？」




ブイさん、なんであたしから顔を背けるの？




「何か答えて下さいっ！」





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