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「ジ、ジン……?」
「あら名前知らないの?
じゃあ、銀髪の男性に心当たり…あるわよね?」
銀髪の男性?
心当たりといえば1人しかいない
2週間前から蔵で住んでいる銀髪のおにーさんの事だ
「私の家で怪我を治している最中ですが……
銀髪のおにーさんの知り合いですか?」
「ええそうね、簡単に言えば仕事仲間よ」
仕事仲間……
銀髪のおにーさんは明らかに堅気の人間では無い雰囲気を醸し出していたけれど、目の前にいるお姉さんも確かに只者ではないような感じがする
「それで、要件はなんですか」
「ふふ、あなただいぶ肝が座っているのね…
私はジンを連れ戻しに来たの」
有無を言わせないオーラを感じる
ここで断ったらきっと私の命を絶ってでも無理矢理連れ去るのだろう
前から分かってたことだ
銀髪のおにーさんとずっと仲良くできないってことを
「分かりました、私の家はこの先にあります」
家に向かうために道をゆっくり進む
私は正直、隣に絶世の美女がいるとかとてもいい匂いがするとかそんな事考えられないぐらいには緊張していた
もしかしたら、銀髪のおにーさんとお別れした後口封じのために始末されるんじゃ、なんてずっと不安で仕方がない
「あなたに1つ聞きたいことがあるの、あなたは一目でジンを一般人ではないと分かったはずよ
なのにどうして助けたの」
一瞬、質問の意図が分からなかった
銀髪のおにーさんを助けた理由、そんなの…
「目の前で倒れてたからですよ」
最初は助けるか迷ったけど、でもおじいちゃんも言ってた
例えどんな人であっても苦しんでたりするのを目撃した時、自分が助けないといけないと思ったらそれは助けるべきだって
「私が助けたいと思ったから助けたんです
助けるのに深い理由なんていりませんよ」
「……!」
お姉さんは少し目を見開いたかと思うと、何も言わずに私の少し先を歩き出した。
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かるぴん(プロフ) - 鳥肌が立ちました!本当に最高です!!! (5月24日 5時) (レス) @page35 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢(プロフ) - 最高!!!!!! (5月16日 14時) (レス) @page35 id: 1b7eb8add5 (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - あ”あ”ぁぁぁぁ……!!!こんな素晴らしい作品に出会えて感激です…!!ありがとうございました!まさかあの人との絡みが見られるとか…予想が悉く外れて行ってて本当に面白かったです!お疲れ様でした!番外編も楽しく読ませて頂いてます、頑張って下さい! (2022年5月31日 17時) (レス) @page35 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - 想像の斜め上でしたありがとうございますご馳走様でした((( (2021年8月29日 9時) (レス) id: 26d8dd33a4 (このIDを非表示/違反報告)
れいん。(プロフ) - わわわわわわ!!すごく!すごく!!面白かったです!!! (2020年5月21日 2時) (レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗メガネ | 作成日時:2018年8月5日 21時