18歳のふりとかもう需要ないのに、そしかいに貢献します【名探偵コナン】

episode──99 ページ12

二人の間に静寂が響く





「何を、言っているんですか…？」





先に口を開いたのは涼風さんだった

だけど涼風さんの目は少し俯いているせいか影がかかって見えない

それが更に得体の知れない不気味さを醸し出していた





「私、今の涼風さんに少し違和感を感じたんです

いつも涼風さんの鞄にはあるものが入っているんです

だけど鞄を持った時、あるものの匂いがしなかったんです」


「………」





涼風さんは俯いたまま微動だにしない

この部屋から出ようとする素振りがないため私の話を最後まで聞くことに決めたらしかった





「涼風さん、あなたはスイカが大好物だと言いましたよね

本当の涼風さんはスイカではなくメロンが大好物なんです

涼風さんは一口サイズに切ったメロンを鞄に常備しています
だから涼風さんの鞄からはいつもメロンの匂いがするはずなのにしなかった……

それはなぜか

それはあなたが本当の涼風さんじゃないから





そうですよね？

ベルモット」


「ふふ…

まさかこんなところでボロが出してしまうだなんて思っていなかったわ」





プシュ、と音を立てながら体の大きさを変える

変装を解いたベルモットは顔を上げて妖美に笑った

episode──100→←episode──98

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す