18歳のふりとかもう需要ないのに、そしかいに貢献します【名探偵コナン】

episode──98 ページ11

「思ったよりサイン会に来てくれる方がたくさんいてとても嬉しかったです」


「そう言ってくださって僕はとても嬉しいですよ！！」





にぱっ、と涼風さんは笑顔で答える





サイン会終了後

私と涼風さんは帰りの支度をしながら駄弁っていた





すると、私たちがいる部屋に携帯の着信音が鳴る





「あっ、すいません少し部屋を出ますね！」





そう言って涼風さんは急いで部屋から出ようとする





「あ、待って下さい！鞄忘れてますよ！！」





この前スリにあったとかなんとかで涼風さんは肌身離さず鞄を持ち歩くようになった

でもたまに急ぎの電話があったりなど焦っているときはいつも鞄を忘れてしまうのだ





「すいません！またやっちゃいましたね…」





苦笑いをしながら私から鞄を受け取る

涼風さんは私の横を通りすぎてドアを開こうとドアノブを捻る音が聞こえた





「そういえば…」





ピタリ、と涼風さんの気配が止まる





「実家から大量のスイカが送られてきたんです」





少しの違和感





それは長年お世話になった私にも今まで気づかなかったほどの小さな違和感で…





「一人では食べきれなくて、スイカ貰ってくれませんか？

涼風さん、スイカ大好物でしたよね…？」





私は振り向きながら涼風さんに言う





「あ、ありがとうごさいます！！

僕がスイカ大好物なの覚えていてくれたんですね！」





カチリ、とピースが填まる音が脳内に響く

同時に部屋に酷く木霊する涼風さんの鳴っていた携帯が止まった





違う





「すいません

電話かけ直しに行かないと…」





違う…





「えっと、久遠先生…？
顔色が優れないようですが……」





この人は───





「あなたは、誰ですか…」





涼風さんじゃない

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