龍馬殺しの刀【刀剣乱舞】

自分は ページ27

越後守side



夜が明けた

僕は一睡も出来なかった

三日月宗近の言っていた誇りを僕の中で探していた

見つかるわけがなかった

どんなに悩もうが、昔を思い出そうが出てくるのは所詮、僕はダメ刀だということ

ただ、それだけ









「結局……なにもならないまま苦しんで……苦しんで苦しんで消えていくのが落ちか…」









「僕は……なんのためにいるんだろう」









暗殺の為に作られた？いや、そんなはずない

じゃあなんだ？

僕はなんだ？

越後守包貞とはなんだ？

僕は何者なんだ？









「ガウッ」








「！」









これって粟田口派の小虎…









「動物は良いよね、善し悪しも分からずにただ主について行けばいいし……」









来世には動物にでもなりたい位だね

そう、心に呟きながら









そうすると小虎が僕によじ登ろうとする

僕は小虎の前足の脇ら辺を持って顔の目の前に持ってくる

そうするといきなり小虎が僕の頬を舐め始めた









「僕は美味しくないよ？」









「ガウ…ｯ」









「……わかってるの？」









鼻の色は桃色だし、目の色は綺麗な空色

可愛いな…









「……君の主もきっと有名刃なんだよね。羨ましいな、君たちが」









「ガウ？」









「なんでもないよ。ほら、自分の主の元に戻りな」









そう言うと小虎はちょこちょこ後ろを見ながら戻って行った

その姿が昔の自分と重なったように思えた

あのころの世界は新撰組の刀と見廻組から得た情報ばかりだった

その時、僕は世間が狭かったというかなんというか

主様に必死について行った時だ

主様のようになりたくて、主様のように強くなりたかった

出来なかった話だけど









堀「あ、いたいた。朝餉食べよう？」









「さぁ…どうだかね」









僕はいつまで囚われているんだろう

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