祢々切丸は変わった【刀剣乱舞】

楽しかった ページ46

小夜side





Aが折れた







僕らが駆けつけた時には血が沢山Aの周りにあって、Aは本当に虫の息で









折れた時にたくさんの桜の花びらが宙を舞った
それを集めればAは戻るんじゃないかって位に
その桜の中から少しだけ、本当の少しだけAの声がした









──また遊ぼう?今度はたくさん──









またなんてないのに……折れたら何も無いのに
僕はただ後悔した。あの時折れなければ、あの御守りの力を使っていつも通り帰って、遊んで、過ごしていたのに……









僕はただ、その場で桜が少なく散っていくのを涙目で見て、効力を発揮しない御守りをただそこで握りしめているにすぎなかった









その後は、僕らは折れたAの本体を持って本丸に戻って戦績を言った
皆、Aが折れたと言うことに涙していた
みんなは僕らを攻めることはせず、慰めていた
江雪兄様も宗三兄様も何も言わず、僕の背や頭を撫でていた









僕はただ……ただ、涙を流すだけだった
初めてAが来た時、一緒に寝たのは僕だった
今剣くんと同じ友達になってくれた
復讐に囚われた僕でもなんの問題もなしに
「小夜くん」って呼んでくれて









楽しかったよ、僕だって
僕だって、Aと一緒に遊んだりして楽しかったよ
まだ……一緒にいたかったよ









ねぇ、A。僕は君の親友になれたかな？
一緒に楽しめたよ
君といたら復讐なんて忘れて、本当に子供みたいに遊んでたよ









本当に楽しかった
A……おやすみなさい
僕もいつか折れたら君のそばに……

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