伍拾玖 ページ19
『水桶も城下町に配置し、これで奴らの言う災害から身を守れる…』
『占い共め…何かと騒がしいことを…』
「遡行軍が占い……?」
「口車に乗せられてるって訳か」
「でも、遡行軍が占い師とも限りませんよね…」
物吉とソハヤノツルキは気配を消し、盗み聞きをしながら遡行軍を殲滅して行っていた。
その場で聞いたのは占い師がその火災を予測し、徳川に伝えたということだ。
少なからず、占い師=遡行軍の可能性は五分五分と言ったところだろう。
「にしても…なんだってんだこの瘴気。普通の人間じゃ気絶の域だぜ」
俺達だからまだマシだが。そういって、周りの空気を手で仰いで自分から離す仕草をするソハヤノツルキ。
物吉もこの雰囲気に嫌気がさしていた。こんなのが自分の知る徳川なんて思いたくもないのに。
「…!ソハヤさんッ、遡行軍です…ッ」
「おう、やろうぜ物吉」
出てきているのは脇差と短刀。どちらも今のソハヤにとって不利な刀だ。よってソハヤはわざと刀を抜かない。
物吉が彼ら目掛けて斬りこんでいく中、短刀がソハヤのいる方へ向かうと、ソハヤはずっと避けるばかり。
「逃げるなら戦えって思ってるか?残念だな、俺らの方が上だぜ、ちび」
ソハヤは庭にあった石ころたちを掴むと短刀に向けて投げつけた。大量に投げられ、避けるにしても咥えた短刀が邪魔をしてもろに受けてしまう。
石ころたちが全て落ちた時、ソハヤを狙おうとすれば自身の目線を一本の白い線が通った。
「遅くなりました」
「いや、ちょうどよかったぜ。物吉」
既に敵脇差を倒し終えた物吉が短刀の後ろまで一気に跳躍していた。
ソハヤの先程の行動は全て時間を稼ぐための足掻きに過ぎなかった。
それを見破れなかった敵短刀はそこでお役御免だ。
「トク、ガワ…サ……」
「「……」」
そう、小さく呟いて砂の如くサラサラと消えていった。きっと、あの敵短刀は徳川家所蔵の短刀で未練があって遡行軍になってしまったのか。
ともはいえ、遡行行為はとてつもない罪であり、どれだけ許しを乞おうが、罪償いをしようが、償いきれないほどの重 罪だった。
敵短刀が消えた場所をしばらく二人で見つめていた。嗚呼、そうか。君達も鎬君のように焼けてしまったんだね…
そして、物吉達は自分達の役割に戻った。
______
帰ってきました…
すみません、多忙で来れませんでした…
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東雲 - この作品大好きです!ゆっくりでいいので続きを楽しみにしています(*^^*) (2021年4月13日 21時) (レス) id: 3d369926d3 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - お疲れ様です!のんびり待っててよかったです^^ (2020年1月31日 0時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ヤバイ好きだぁぁぁぁ…!更新頑張ってください!! (2019年5月13日 22時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄月@刀アカ - ぎゃぁぁぁ!!神作品を見つけてしまった!!更新頑張って下さいっ! (2019年5月13日 15時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
自由陣(プロフ) - おお!ありがとうございます!覚えてますよー、ティッシュの方!最初のところの研究者の江成ちゃんは研究熱心…(?)の域を彷徨ってます← 更新頑張りますよ〜! (2019年4月29日 20時) (レス) id: b178f06fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自由陣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時:2019年4月28日 15時