09:ポジティブ講座 ページ10
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「それでは只今より俺によるポジティブ講座を始めたいと思います!」
「講座の講くらい漢字で書けよバカー」
「アホ田中ァ〜〜〜」
『田中のハゲ』
「おいお前今ハゲっつったろ!!!!」
『なんで私のには反応すんの!?』
合宿四日目。
せっかくのお昼休憩だというのに休憩もせず、二年で集まってなぜか講座が開かれるという事態。
寝かせろよという私の気持ちなど聞かないこいつらにいちいち文句言っても無駄なので諦めた結果今に至る。
田中の場合ポジティブ講座じゃなくてメンタル講座の方が合ってる気がしなくもないのがちょっとだけ悔しい。
『お前の場合ポジティブ講座じゃなくてメンタル講座だろ』
「確かに」
「ごもっとも」
「あっぱれ」
「いいんだよポジティブ講座で!」
飛んでくる野次に負けじとまず問題!潔子さんに声かけても無視された場合お前らならどうする!?と声を荒げて言う田中。
やっぱ潔子さん関係か……。
『ていうか声掛けても返事はしてくれるけどその後の発言によって無視されるかどうかが決まるよね』
「無視されんのはだいたいお前と西谷だろ」
「俺の場合復帰直後に平手打ちされたからな!」
「自慢げに言うんじゃないよ」
もうダメだこいつらは。
なんて思いながら三年生を見ると、あっちはあっちで多分主に菅原さんが原因でギャーギャー騒いでいたのでこの部はやっぱりダメかもしれない。
潔子さんはなんか武ちゃんたちと優雅にお茶飲んでるし。私もそっちに混ざりてえ〜〜。
「潔子さんに平手打ちされるなんて羨ましいぜノヤっさん!」
「だろ!!!?この良さがお前らには伝わんねえな!」
「うん多分一生伝わらないと思うよ」
『お前らドM気質あるの気づいてる?』
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(おーいそこ、そろそろ休憩終わりだぞー)
(菅原さんたちさっきなんで騒いでたんですか?)
(今日の夕飯は生姜焼きか否か)
(……………)
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10:選ばれたのは生姜焼きでした→←08:潔子さんと二人きりになりたい
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