02：一年の差 ページ2
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昼休み。
菅原さんに借りたジャージを返し忘れていたので、できれば来たくなかった三年の廊下までやってきているのだが。
『……』
やっぱり三年は威圧感すごいな……できれば近寄りたくないし話しかけたくもないし、話しかけられたくもない。
一番のここになるべくなら来たくない理由は、菅原さんと澤村さんのクラスである四組に行くと必ずと言っていいほど先輩のクラスメイトに「菅原の彼女！？」と聞かれるからである。
毎回思うんですよ。
その情報はどこから浮上したのかと。
心の中でぶつぶつぶつぶつ愚痴っていると、四組であろう男の人がドアの前に立っている私に気づいてこちらへとやってくる。
「あれ、君菅原の彼女だっけ？」
『なんですかその超クソデマ』
「えっ？だって今日菅原が君にジャージ貸してるところ見たって」
『ジャージ貸す＝彼氏っておかしくないです？？？？』
「まあデマって言うのは知ってたけど」
『先輩菅原さん並みにめんどくさい性格してますよ』
「マジ？それはやだわ〜〜〜」
菅原さんに用事があったのにどういうわけか毎回先輩と話し込んでしまうこの癖を治したいものの。
多分それは一生無理だなと秒で諦めがついた。
「おいおい俺の後輩になあに絡んでんだよ伊藤ォ〜〜」
「ウワ、出た妖怪スガワラコウシ！」
「妖怪じゃねーし！お前はもう用済みだからさっさと戻るべし！！」
「へいへい。じゃあまたね、後輩ちゃん」
どうやら彼の苗字は伊藤というらしい。
覚えておこう、伊藤サン。
「覚えとかなくていいから」
『！？直接脳内に…！』
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(ていうか俺になんか用あったんでしょ？)
(アッそうだ、ジャージありがとうございました)
(……やっべ、貸してたの忘れてた)
(菅原さんそういうところありますよね)
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