【銀魂】俺の幼なじみの女に、最近色気や可愛げが出てきやした。

episode24　 ページ2

総悟side


　

　
ちりん…という風鈴の音で目を覚ました。



　
ゆっくりと重たい体を押し上げ、アイマスクをずらす。

　

　

　

なんだか、外が騒がしい。


　
今日、宴の予定とかありやしたっけ…。


　
　
　

　
そっと襖を開き、外の様子をうかがう。

　


　

　
そこには近藤さんや土方さんを始めとする隊士たちがたくさん集まっていた。


　

そうか、今日からAは潜入捜査か。


　



　

その真ん中には優しく微笑むA。


　

　

　


　

トクン……


　

　


あぁ、俺はおかしくなっちまったんだろうか。

　

　
あんな可愛げもクソもねぇ女みて、胸が高鳴るなんて。

　

　

世の中にはもっと愛想が良くて可愛い女が腐るほどいるってのに。

　

　

　

なんでこんなにも、あいつばかりみてしまうんだろう。

なんでこんなにも、あいつのことになると心が揺れるんだろう。

なんでこんなにも、あいつが愛しいんだろう。

なんでこんなにも、あいつに焦がれてるんだろう。



　
疑問が浮かんでは消え、浮かんでは消えた。



　


　
『総悟のボケッ!!
　

いっぺん死ぬか？コルァ？』

　

　
いつもは俺に敵意剥き出しで、暴言ばっか吐いてるくせに。


　

　


　
『涙もふいてあげるから。

あんたの隣で笑ってるから』


　

急に強くて優しい女になる。


　

　

　
俺が落ち込んだりしてると、いつの間にか隣にいて。

　

　
それがなんだか安心して。

　

　


　
どんどん大切な存在になって。




　


　

気がついたら、恋い焦がれるようになってた。

　

　



　
気が強くて意地っ張りな猫みたいな部分も、


　

たまにみせる強くて優しい部分も、



　

全部好きなんでさァ。




　


　
柄じゃねぇことなんて知ってる。

　

でも、もう心から好きが溢れ出てきて。


　


　
気がついたら、あんなことしてた。





　

世界で一番大切にしたい女を、俺はこの手で恐怖に落としてしまった。



あの時のAの目は、恐怖の色しか見えなかった。


　


　

　

それからと言うもの、あいつには近づいてない。
　



たまに俺は感情を抑えられなくなる。


　

　

　

あいつが………Aがまたそんな恐怖を感じないように、俺は近づかない。


　

　

　



そう、Aのためなんでさァ…。


　

　




　
寂しい気分を払いのけ、また俺はアイマスクを付けなおした。


　

　


　

　
「A、ごめんな…」

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