32)避けられない事態 ページ17
探偵社に戻ってきた二人
ぐったりとしている敦と国木田
ぐぅーと眠っている賢治
「ちょっと離れただけでこうなるのね・・・」
「・・・鏡花は?」
「騒動の後、行方不明に・・・」
「そう・・・」
「A、旧晩香堂に降りる、準備を頼む」
「わかりました・・・お出掛けですか?付き添いは?」
「いらん」
「さようですか、お気をつけて」
出ていった福沢を見送る
「ありゃぁ、相当鶏冠に来てるねぇ」
「まぁ・・・当然と言えば当然ね・・・・独歩、非戦闘員は県外への避難指示を。後の調査員は旧晩香堂に行くわ」
「了解です」
「ここは立ち入り禁止にして、パソコン、機械など全てに閲覧出来ないようにセキュリティをかけるから必要なものは各自まとめて置きなさい」
職員はそれぞれ動き出す
ーーーーーーーーーーーーーーー
巨大な客船。飛んでくるディスクを狙い射撃をするフィッツジェラルド
「探偵社の動向は?」
スタインベックに銃を渡しながら聞く
「事務所を捨てて、別の施設に隠れたみたいですね。新拠点は検出困難です」
「良いな、獲物に寝こけられては狩りは面白くない」
別の銃でもディスクを撃ち抜く
「ポートマフィアも動き出してます。規模からすれば目下彼らの方が脅威ですね」
次に出された小さめの銃を見る
「少年の頃、これと同じ型の銃を買うために二年働いた。それでも金は足りず、四人殺した」
銃を構え、変わらない射撃の腕を見せる
「今ではこの銃を造る会社も俺のものだ」
銃から残った弾を取り出す
「金は悪夢だ。欲しいものがひとつ手に入る度、欲しいものがひとつ減る。やがて世界は枯れ葉を燃やす青い煙のように退屈になる・・・・だからね、スタインベック君」
弾を手で持ち、構える
「俺の世界は今、輝きに満ちているのだよ」
その手で投げた弾は、ディスクを破壊した
「あの街も、虎人の道標も、そして、【雪桜の魔女】も、俺が手に入れる」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
旧晩香堂へ続く隠し通路を通り、中に入れば、調査員が揃っていた
「皆聞け」
全員が福沢を見る
「嘗て、三日か二日前には戦争を免れる途は在った。しかし、その途も今や閉ざされた」
「・・・・・・・・・・」
「社の鏖殺を謀るマフィア。社の簒奪を目論む組合。この両雄より、探偵社を守らねばならぬ」
「・・・・・もはや・・・争いは避けられない・・・か・・・・」
Aの小さな呟きは、緊迫した空気に消えた
123人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シア - 初めまして。以前読ませて頂いてもう一度読みたいと思ってずっと探していました。夢主最強ですね。かっこよすぎて惚れてしまいそうです。 (2019年7月3日 23時) (レス) id: 5724e2c09d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水琴 | 作成日時:2019年5月4日 6時