14)姉兄の双子 ページ15
太宰と織田を連れて、とある喫茶店へやってきたA
扉を開ければ、ドアベルを鳴る
「お邪魔します」
「いらっしゃい、A」
カウンターに立っていたのは、漆黒の黒髪に、血のように赤い瞳の美女
「どうぞ」
カウンターの席を勧められ、そこに座る
「Aさん、ここがこの前言ってた?」
「そうよ、私の協力者の月姉様」
「小さな喫茶店と、情報屋をしてます〔黒神 月妃〕と言います。初めまして」
「太宰です、こっちは織田、以前はお世話になったと、Aさんから聞いてます。ありがとうございました」
「ふふっ、可愛い妹分の為だもの」
三人の前に珈琲を置く月妃
「あら、煌兄様は?」
暖簾の向こうを見ながら聞くA
「煌鴉なら今買い出しよ」
「こうあ?」
「私の双子の弟よ、彼は何でも屋をしていてね、今ご近所さんの家電を直している所なの」
「へぇ」
すると、ドアベルが鳴り、目を向ける
「・・・・・・・・・・・・」
そこには、月妃そっくりな青年が立っていた
「あら、お帰りなさい、煌鴉。今Aと噂の二人が来てたのよ」
「・・・・・・・そうか」
煌鴉はAに近付き、頭を撫でる
「調子は?」
「何でもないです」
「体は冷えてないか」
「煌兄様は心配性ですね」
ほらっと自分の頬に手を当てる
「・・・大丈夫だな、あまり無理をするな。何かあればすぐに言え」
「わかってます」
「ふふっ、煌鴉ったら相変わらずAを溺愛してるんだから」
「姉さんも人の事言えないだろう」
「あら、私はAが連れてきた人を引き離そうとは思わないけど?」
チラッと二人に目を向ける双子に
「「(私/俺たちの事か)」」
「?」
「A、奥に頼まれたものを用意してあるから見てこい」
「?はーい」
「(Aさんっ、行かないでー!?)」
太宰の心の叫びは届かず、Aは暖簾の向こうに消えた
「さて、少しお話しましょうか?」
にっこりと笑う月妃に、引き吊った笑みを浮かべる太宰だった
「私達はAが気に入って連れてきた貴方達を引き離そうとは思わないわ。彼女を害さない限りは」
「それはもちろん、恩人であるAさんの不利になるような事は絶対にしませんよ、ねぇ、織田作」
「あぁ」
「ならよかった。でも油断したら駄目よ?Aの周りには多くの人がいる・・・何かあったら容赦なく斬りかかって来るかもしれないから気を付けてね」
にっこりと笑いながら言い放った言葉だった
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作者名:水琴 | 作成日時:2019年4月16日 7時