3)勧誘 ページ4
「やぁ!Aさん!奇遇ですね!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
にこにこしながら手をあげる太宰と、にこにこと笑いながら携帯電話を取り出すA
「おっと?軍警に連絡する前に私の話を聞いてもらえるかな?」
太宰はその手を掴む
「お断りしますわ、手を放して下さる?」
「君が携帯電話をしまったら放すよ」
「・・・・仕方ありませんね・・・」
携帯電話を閉じ、ポケットにしまった
「何のご用かしら?見ての通り、見回り中なのだけど」
「それはもちろん!今日こそAに頷いて貰う為「お断りします、はい、さようなら」遮らないでくれたまえ!!」
クルッと背中を向け、歩き出すA
それについていく太宰
「何が嫌なんだい?貴女の実力なら十分裏でもやっていけるのに・・・お給料もいいよ?」
「お金には困ってないわねぇ」
「ご両親も暗殺者だったじゃないか」
ビタリッとAの動きが止まる
太宰は暗い目で、笑う
「ご両親譲りの暗殺技術と、貴女が譲渡された異能【闇桜】は人を簡単に殺す殺戮の異能だ・・・そんな貴女が光の世界でその力を発揮できると思っているのかい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
Aは太宰の方を俯きながら振り返る
「・・・・・・・太宰 治・・・・」
「?」
コツンッと足音
気がついた時、Aはすぐ目の前に立ち、顔を覗き込むように見上げる
「私が、ただ人を殺すだけの存在に見えるのかしら?」
「!!」
咄嗟に後ろに飛び下がる
「っ・・・(この私が、あんな近く来るまで動けなかった・・・?)」
もしも、Aが殺す気で近付いていたなら・・・・
「(これが、夏目 A・・・)」
「Aさん!!」
「!」
走ってくる誰か
バッとAの前に立つ男
「Aさん、お怪我はっ?」
「平気よ、ありがとう、独歩」
「・・・・・なるほど、あの時、既に連絡済みだった訳か・・・」
太宰は街中で会ってすぐ、携帯電話を取り出していた事を思い出す
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作者名:水琴 | 作成日時:2019年4月16日 7時