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104)羽王戦争・天王寺組若頭のケジメ ページ8

「天羽桂司親分!貴方はこのアホに道を示してくれましたあぁ!!三國の親父ぃい!!こんなアホを拾ってくれたあなたに感謝しかございません!!」

大嶽の会場へ轟く叫び

「俺は普通に死ぬだけでは許されません!怨恨ごと木っ端微塵に吹き飛びます!!」

ストン、と雪子の腕から降りる猫

「三國の親父!!列席の皆さん!!この大嶽の命に免じてどうか!東京と対話の窓口を持って下さあぁい!!!」

そして、手榴弾の安全ピンを一気に引き抜いた

「(俺に生きる資格なんかあるかいな。未来の悲劇をなくすために俺の命を使う。アホな俺にはこれしか罪の償い方は思いつかんかった)」

浮かぶのは

数十年前の“あの日”組を救ってくれた少女

そして、今回、自分に手を差し伸べてくれた少女

「(折角救ってもらったのに堪忍なぁ、お嬢ちゃん)」

そして訪れるその時

「最後だけは格好つけさせていただきます!!これが天王寺組若頭、大嶽徳史の死に様じゃああ!!」


「ほんまに、極道もんはなしてそうやってすぐ死にたがるんやろうなぁ」

耳元で囁かれた言葉に目を向ける三國

そこに見えたのは、濃い血のような赤い瞳と、笑みを浮かべて何か言葉を発する唇


目にも止まらない速さで何かが大嶽のもとへ飛び込んだ

それと同時に、大嶽が持っていた手榴弾が爆発、ステージは爆炎に包まれた

「・・・・・今の、は・・・・」

「にゃーぉ」

「!」

ハッと見れば、自分の席の隣、大嶽の座っていた席に座る見覚えのある猫

猫は三國を見て、何かを伝える

言いたい事を理解した三國は会場を見渡す

「うちのカシラが命を懸けた訴えです!どうか皆さん、汲んでやって下さい!」

天下の天王寺組の組長が頭を下げた

その申し出を断れる者は誰もいなかった

そして猫は、いつの間にかいなくなっていた
――――――――――――――――――――――――
会場を出た小林を見送り、華太は側にいた2人を見る

「いいのか、戻らなくて」

「えぇんや、俺らはもう死んだ身やから」

それは城戸と浅倉だった

「カシラのケジメを見届けに来ただけやからな」

「それに、俺らAちゃんに言ってるからな」

「雛に?」

城戸はニカッと笑い、浅倉は仕方なさげにため息をつく

「“天王寺組の”城戸丈一郎は死んだ。俺は“ただの”城戸丈一郎や。Aちゃんの手と足になり、駆け回る犬やって」

「お前ら、マジで犬扱いでいいのか・・・」

「A専用の犬や。他が言ったら噛み殺す」

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かな - メアリー、スーヒロイン? (4月10日 23時) (レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - 続き楽しみです! (4月1日 7時) (レス) id: 54a38d0a40 (このIDを非表示/違反報告)
青魔道士 - 宝石色の白虎の方も読みたいです! (3月1日 13時) (レス) id: 9d0898b86e (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きを楽しみにしてます! (2月8日 17時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます (1月17日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水琴 | 作成日時:2024年1月16日 23時

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