【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ30)

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126)天羽組と温泉旅行④ ページ30

「冷凍庫にも入れておいたからチンして食べてね」

「もっと早く教えてほしかった！！」

「すまん、昨日小林の兄貴が全部食い尽くした」

「ありゃ？冷凍庫にいっぱい入れておいたのに」

小林の兄貴はAが作るものには異様に嗅覚が良く、差し入れがある時には必ず顔を出して持って行く

すると

「おぎゃあ！」

赤ん坊の泣き声が聞こえた

「あらら、どうした？お腹すいたの？」

母親の声が聞こえた

「フフッ！可愛い！」

「そうだな」

赤ん坊は泣くのが仕事ってやつだ

だけど

「静かにさせろ！耳障りじゃぁ！」

突然飛んだ怒号にピクッと反応し、顔を出す

チンピラ風の男が母親に因縁をつけていた

「ガキのコントロールもできねぇのか！それでも母親かコラ！！」

「す、すみませんっ」

「・・・・・・・・・・」

すると、Aが立ち上がる

「あ、おい、雛、はぁ、しょうがねぇな」

それに華太もため息をつきながら立った

「わかったならなんとかしろ！！」

母親を蹴ろうとする男
だけどその前に

「貴方もこうやって泣いて育っているんですよ」

背後から蹴り飛ばした

「いっでぇええっ！！」

ちなみに本日のAのファッションはいつもの和洋折衷、緑色の和服に袖や裾に黒いレースをあしらったもの
そして履いているのは武器ではないのかと疑いたくなるような高いヒールブーツ

『(あれは痛そう)』

見ていた誰もが思った

「何しやがるこのアマァ！！」

「赤ちゃんが泣くのは母親でもコントロールなんて出来ないし、赤ちゃんは泣くのがお仕事なんですよ、そんな事も知らないんですか？」

良い笑顔で貶す

「うるせぇなぁ！こっちは金払ってんだ！文句、うっ！？」

突然男の顔色が変わる

笑顔なAの背後には、鋭い眼光を向ける、明らかにカタギではない男の姿

「お、覚えとけよ！！」

逃げ出す男

「おっとー、足が滑ったのだー」

「ゲフッ！！？」

横から飛び出てきた野田の足が男を直撃した

「こら、野田、突然足を伸ばしたら危ないだろう、大丈夫か、あんちゃん」

「ちくしょぅっ！！なんだって」

ガシッ！と力一杯肩を掴まれる

「これで懲りたらもう母親と赤ん坊に因縁つけるのはやめとけよ」

眼の前で工藤に凄まれ、男は気絶した

「よしよし、ちょっとご機嫌斜めだったんだねぇ」

「きゃははっ！」

「あ、ありがとうございます！！」

赤ん坊をあやすA
赤ん坊もすっかりご機嫌になっていた