【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ29)

今日:24 hit、昨日:59 hit、合計:21,944 hit

125)天羽組と温泉旅行③ ページ29

「そこの頓痴気！！今すぐ電車の時間調べてこんかああぁぃいい！！」

「「は、はいぃぃいい！！」」

飯豊と亘清が立ち上がり、走り出す
Aを見れば、パチンッとウィンクしていた

つまり、Aは2人の助け舟を出したのだった

それを理解した飯豊と亘清は立ち止まり

「雛姉さぁああん！！！一生姉さんについていきますぅうう！！！」

「ぅううっ！雛姉さんの為にこの命を差し出しますぅっ」

「いや、拝んでないでさっさとしろや」

華太に蹴っ飛ばされる２人だった

「姉さんは優しいっすね」

「そうかなぁ？」

Aは天羽達のもとへ行き

「とぅ様！かぁ様！私ね！この駅弁食べたいの！だから電車で行こう？」

「ほぉ！なかなか美味そうな駅弁だな。しかし電車は」

「申し訳ございません、親っさん、バスが諸事情で来れなくなりました」

「あら、なら丁度良かったわね。電車で行くのも良い思い出になりそうだわ」

夫婦に頭を撫でられるA

工藤が華太に近付き

「何かあったか？」

「幹事の２人がバスのチャーターをミスりまして。Aが助け舟を出したんです」

「そうだったのか、こりゃああいつ等Aに借りが出来たな」

「えぇ、全くです。いずれ返してもらいますよ」

いつもなら兄貴全員からヤキが入る所だが、滅多にないAの我儘に兄貴達は即決OKを出していた

「皆様！いってらっしゃいませ！」

当直の若衆の水野がラッキーを抱えて見送る

「水野、何かあったら連絡しろ。それと遠慮なく六合会にも電話しろ」

「うちでもいいよ？」

「はい！ありがとうございます！小峠の兄貴！A姉さん！」

―――――――――――――――――――――――――
「わぁい♪」

「よかったな、雛」

目的の蟹三昧弁当も無事当たり、楽しい電車の旅が始まった

「贅沢だな」

「にぃ様！蟹釜飯と蟹クリームコロッケどっちが食べたい？」

「なんで主食か副食かを選ばねぇとなんねぇんだよ。どっちも美味そうだな」

「最近うちのワンちゃん達コロッケ作りにハマってるんだよねぇ」

「・・・・・・・・・・・・・」

脳裏に浮かぶ、ワンちゃんという可愛らしい呼び方に反する極道と半グレ共の姿にゾッとした

「ちなみにどうしてコロッケ作りを？」

飯豊が聞くと

「この前ジロくんが農家さんのアルバイトで大量のじゃが芋もらってきたから消費する為に」

「あー、そういやぁ、差し入れに大量のコロッケ持ってきてたな、あれか」