【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ27)

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123)天羽組と温泉旅行ページ27

ある日の天羽組

華太は天羽に呼び出され、組長室へ向かった

「失礼します、親っさん、お呼びでしょうか」

「おぉ、来たか、華太」

そこには天羽と、阿久津、工藤がいた

「実は天羽組皆で温泉旅館に行こうと思うんだ。先の抗争の慰労もかねてな」

「なるほど、それは良い案ですね、みんな喜ぶ筈です。日程が決まれば、不在の間、張、六合会に空龍街を頼みます」

「張と連絡を取るのはお前が適任だからな。それから、Aの日程も確認してほしいんだ」

阿久津の言葉に目を見開き、そして苦笑を浮かべた

「すみません、もしかして、雛の言っていた事でしたか？」

「何、約束したからな。この抗争が終わったらみんなで温泉に行くって」

「それに、うちの連中はやきもきしてただろう、京極組や拷問師達と行っているのにうちは？ってな」

「ですね、雛も兄貴達と温泉に行きたがっていたので喜びますよ、連絡しておきます」

「頼んだぞ」

組長室を出て、すぐに妹へ電話する

話をすれば、帰ってきた返答は当然

「本当！？みんなで行くの！？すごい楽しみ！！」

キラキラとした目が浮かぶ程のテンションの高い声だった

「(色々リサーチしておこう)」

電話を切ったAはニコニコ笑顔だった

「なんや、えぇ事あったんか？」

店に出てきていた大嶽が声をかける

「うん！にぃ様達と温泉旅行に行こうって！」

楽しみ！と満面の笑顔のAに

「そーか、そーか、そら良かったなぁ」

ほのぼのする
その裏ではすぐに頭の中で様々な事が巡る

「(お嬢ちゃんの楽しみを邪魔せん為にも、あの彷徨いておるのどうにかせんとなぁ・・・・・戸狩を呼んでおくか)」

こうして、天羽組温泉旅行が動き始めた

幹事を任された飯豊と亘清

念入りに準備をする

バスのチャーター、道中の道の駅の名物など、様々な情報をリサーチしていく

そして旅行当日

「それじゃあ行ってきます！」

迎えに来た北岡が荷物を積み込む

「行ってらっしゃい、気ぃつけてなぁ、危ない事したらあかんで？」

「はーい」

大嶽に見送られ、車に乗り込んだ

走っていく車と入れ替わるように近付いてくる人影

「なんや、折角大阪からこっち来たんに、お姫様はお出かけですかいな。お姫様の飯食えるって思っとったんに」

「元カシラで我慢せぇ」

大嶽の側に立つ戸狩

「お嬢ちゃんは温泉旅行に行くんねん」

「ほぉ、羨ましい事で、カシラはお留守番ですか」

「せぇやで。だから」