【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ23)

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119)天羽組と秋の宴④ ページ23

「へぇ！まさか大阪で助けたのが天羽組の妹さんやなんて！すごい偶然っすわ！」

「そだねー」

「あれ？」

地面に倒れてた速水が顔を上げる

「(偶然って、僕らに茂木くんを教えたのは姉さん、協力してもらってって言ったのも姉さんで、小林の兄貴に憧れて東京まで来て・・・・・・え？)」

バチッと速水とAの目が合う
ソッと口元に指をたて、しぃ・・・と微笑む

「あははは・・・；；」

もう乾いた笑いしか出てこない速水だった

「工藤の兄様ー、お注ぎするよー」

「おう、ありがとな」

「もう俺は何も言いません」

「なんだ、急に」

北岡に目を向ける華太

視線の先にはお酌して、お酌してもらって、一緒に呑む妹

「お花見で姉さんの酒豪ぶりは理解しましたので・・・心配ですけど」

「やっと理解したか」

「Aー！俺もー！」

「はいなぁ」

酔っ払いの相手をそつ無くしていくA

「あらあら、とぅ様、はい、お注ぎしますよー」

小林にアルハラする天羽に駆け寄り、空になった盃に水を注ぐ

「おぉ、ありがとうなぁ！A！お前は本当に可愛い奴だ！」

飲み過ぎな人には酒瓶で入れておいた水を与える気遣い

「とぅ様、これ去年漬けておいた梅干し、ササミとキュウリで和えたものですよ」

「おぉ！どれ！頂こう！」

そして二日酔いにならないように、酔いに効く料理を勧める

基本天羽組は全員この妹に胃袋を鷲掴みされているから喜んで食べる

「小峠の兄貴、だし巻き卵いかがですか？大根おろしたっぷりです！」

亘清がAと同じように動いていた

「大根おろしとは、気が利くな、ありがとよ」

「いえ！姉さんに教えられておりますから！！」

「？どういう事だ？」

首を傾げる北岡に苦笑いする華太

「梅干しは胃の粘膜を修復、保護する効果があり、二日酔いから覚めやすくするんだ」

「あ」

「大根おろしは消化を助け、胃を丈夫にする、これも酔いに効くんだ」

「へぇ、そうなんですね！流石姉さん！！」

Aから色んな事を叩き込まれた亘清はそれがちゃんと身について、活かされていた

「部屋住みを一回、雛のとこで修行させるか・・・」

亘清を見ながら、ふっと思う華太だった

「あぁ、そうだ、親っさん、天王寺組との戦争が終わった所ですし、温泉にでも行きませんか？」

「温泉か、いい考えだな、阿久津」

「えぇ、以前Aと約束していまして」

「そうかそうか！馴染の旅館に連絡してみるか！！」