【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ22)

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118)天羽組と秋の宴③ ページ22

庭に出ればみんなが揃っていた

「お！お姫様のご到着かな？」

「退院おめでとう、青山の兄様、阿久津の兄様も」

「入院中いろいろ世話になったな」

2人に頭を撫でられる

「兄貴、雛をお願いしますね」

「はいよ、雛ちゃん、青山の兄様と乾杯しようか」

「はいなぁ」

青山からビールが注がれたジョッキを受け取る

華太は前に出て、みんなが揃ったのを見て

「それでは皆様、阿久津のカシラ達の退院、そして茂木の加入を祝しまして、乾杯！！」

『カンパーイ！！』

秋の色づく庭で、宴席が開かれた

「野田の兄様！エビチリ作ったよー」

「デカいエビがプリプリでうまい野田」

Aが差し出す大きめのエビのエビチリに満足げな野田

「ついでにエビマヨもあるよ」

「神なのだ」

「天使とは言われた事はあるけど・・・小林の兄様ー、速水さんは貯水湖にはなれないので程々にねー」

視界の端でアルハラする小林を見て声をかける

「はーい」

「(姉さんはやっぱり救いの天使だ・・・！！)」

「A、注いでくれるか？」

「はいなぁ、和中の兄様」

日本酒の瓶を持ち、和中の盃に注ぐ

「ありがとう、お前を呑め」

「♪ありがとう！」

持たされた盃に注がれる日本酒

「ん♪美味しいですね」

「やはりお前にはこの味がわかるか」

「はい！キュウリと卵のピリ辛胡麻油漬け！きっとこのお酒に合うよ！」

スクリューのように切ったキュウリと味玉をピリ辛な胡麻油のタレに漬け込んだもの

「む、これはなかなか」

ほぉ、と感心する和中

「美味しい？」

「あぁ、とても。また作ってくれ」

「常備しておきまーす♪」

「うまっ！！このお好み焼きめっちゃ美味いです！！」

「それはよかった、お前の為に作ってもらったんだ」

お好み焼きを食べる茂木をビールを片手に話す華太

「誰が作ったんですか！？大阪の味や！！」

「俺の妹、雛」

呼びかければ、少し離れた所で須永と戯れていたAが近付いてくる

「どうしたの？」

「ご兄妹で天羽組におるんですか！？って・・・」

「あら」

振り返った茂木はAを見て目を見開いた

「え、ええええぇぇぇ！！？あん時の別嬪さん！！？」

「なんだ？知り合いだったのか？」

「知り合いというか、前に佳ちゃんのとこに遊びに行った時に、はぐれちゃって、道案内してもらった」

「そうだったのか。茂木、彼女はA、俺の妹だ。ここにいるが、天羽組に入っている訳じゃないんだ」