【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ21)

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117)天羽組と秋の宴② ページ21

すっかり慣れた道を1人歩くA

「お待たせー」

「お帰りなさい！雛姉さん！」

台所で待っていた北岡と亘清と、顔なじみの舎弟数人

「下準備しておきました！」

「ありがとー、じゃあ作っちゃおうか」

持参したエプロンと三角巾を頭につける雛

「さぁ、今回は沢山作るよー、コロッケ作ったの覚えてるー？」

「覚えてます！！」

「じゃあ頑張って。亘清、このお肉、唐揚げにしてね」

「わかりました！！」

「姉さん、この野菜そろそろやばいんで使って欲しいそうです」

「あ、トマト、いいね、北岡さんこれ全部すりおろしちゃって。ナポリタン作ろう」

「やった！」

Aの指示で大量の料理を作り上げていく

―――――――――――――――――――――――――――

「南雲の兄貴」

「華太、どうした？」

駆け寄ってくる舎弟に振り返る南雲

「雛を迎えに行ってくれたと聞いたので、ありがとうございます」

「何言ってるんだ、雛ちゃんはもう天羽組の家族の一員だろ？俺の妹でもあるんだぞ？」

「いえ、俺の妹です」

申し訳なさげに微笑む華太の表情がスンと無になる

「お前、めげないな・・・；；」

「あれー？にぃ様何してるのー？」

「あ、お疲れ様です！南雲の兄貴！小峠の兄貴！」

「お、亘清、お疲れ」

「雛、料理出来たのか？」

「うん！今お庭に運んでるところー」

「そうか、ありがとうな」

「♪」

よしよしと頭を撫でる

「あ！雛姉さん！」

駆け寄ってきた組員を「おや？」と見るA

「飯豊さん？」

「はい！！」

そこにはスカジャンではなく、スーツを着た飯豊がいた

「わぁ！いいですね、飯豊さん！」

「マジですか！？姉さんに褒められた！！」

「リーゼントじゃなくなったから撫でやすいよ」

よしよし、と頭を撫でる
ちなみに天羽組の舎弟達は姉貴分によく頭を撫でられるから姉貴分が手を伸ばすと無意識に頭を下げる癖がついていた

「あれ？いいですねって、リーゼントやめた事っすか？」

「？他に何が？」

「・・・・・・・・・・・・・・・(泣)」

「・・・・・・・・雛、庭に行くぞ」

「はーい」

「大丈夫だ、飯豊、いつか君の魅力が雛ちゃんにも伝わるよ」

「よくよく考えたら姉さんの周りには俺なんかよりもカッコいい人が山のようにいますもんね・・・俺なんか下の下なんですよ・・・」

「あー・・・・・」

慰めようとする南雲も何も言えなくなる