【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ15)

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111)“気に入らない”人③ ページ15

「医学界から追放された俺に手を差し伸べてくれた」

初めて出会った彼女はまだあどけなさが残る女の子で、姉である女性と一緒にいた

❲貴方は優しい人なのですね❳

❲貴方はお医者様を続けるべきです、貴方の手で救える命があるのだから❳

「だから俺はこうして裏で医者を続けている。俺だけじゃない。色んな奴が彼女に救われてきた。どんな相手でも手を差し伸べ、余程の外道でない限り嫌う事はなかった」

だけど

「そんなあの子はお前の事が“気に入らない”と言っていた。理由がわかるか」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「あの子の病は一生治らない、だがお前の病は治る可能性があった。お前は病から逃げた、だから気に入らなかったんだ」

“病から逃げた”

その言葉が榊原に突き刺さった

「・・・・・生きる事を、諦めなければ、他に道が・・・あったのか・・・・・・」

「さぁな」

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「氷室さーん！」

戒炎の襲撃の翌日、昨日考えていたあの子がやって来た

「恵方巻き作りました！食べませんか？」

いつもの笑顔で紙袋を差し出してくるA

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「？」

自分をジッと見つめる氷室に首を傾げるA

氷室はフッと笑い、Aの頭を撫でた

「いつもありがとう、Aさん。恵方巻き、頂くよ」

「？？どーぞ」

「天羽組にも配ってきたのか？」

「うん！みんなで丸齧りしました！」

「恵方を向いて？」

冗談のつもりだった

「うん！！」

さも当然のように肯定された

「(極道者が、全員恵方を向いて恵方巻きを食べる・・・)」

想像が出来なかった

「どうだった？」

だから聞いてみた

「可愛かったですよ？」

「・・・・・可愛いのは君だけだよ・・・絶対・・・・・」
聞くんじゃなかった

「そうかなぁ？」