【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ2)

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98)羽王戦争・許す事ページ2

「それを止める為に、私は天羽組長にお伝えしました」

「なに、を・・・・」

「・・・・・・・・“私達兄妹に免じて、許してほしい”」

息を飲む

「天羽組でもこの抗争で死人が出ています。だけど、その反面で工藤の兄様、阿久津の兄様、南雲の兄様、他にも数人、私や、にぃ様が救いました。そんな私達だからこそ、言える言葉です・・・・そして、それは、貴方にも、私は言えます」

Aは城戸達を見る

「丈一郎や潤を助けました、丈一郎に頼まれて不自由な体になった室屋さんを助けました、相討ちになっていた岸本さんを助けました、天羽組を襲った、戸狩さんを助けました・・・このアジトでの戦いで死ぬ筈だった命を、私が助けました」

【誰も死なせない】
その言葉は有言実行された

「・・・・もう、終わりにしましょう・・・大嶽さん・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

大嶽はトランシーバーを取り出した

「・・・・・・お前ら・・・よぉ聞け・・・全員、もう戦わんで、えぇ・・・・この、戦争・・・・たった今、終わった・・・・」

それを見届けたAは立ち上がり、振り返る

「丈一郎、潤、お医者さんへ運んであげて」

「ほんまに、おおきにな・・・A」

「カシラ、支えますね」

「カシラ」

「城戸・・・浅倉・・・岸本」

３人に支えられる大嶽

そして、Aは近付いた

「なんで・・・なんで・・・・！？」

「小林！」

阿久津と工藤に押さえつけられる小林

「小林の兄様」

「嘘だ、雛ちゃんがそんな事言う筈がない、俺が抱えたもの、知っている雛ちゃんが、あいつを許せだなんて、言う筈がない」

「兄様、私を見て」

「違う、違うッ、悪いのはあいつで、全部あいつがっ」

暴走寸前の小林に華太が近づく

「雛、流石に危険だ」

だけどAは手で兄を止める

そして、小林の高い位置にあった胸ぐらを両手で掴み、無理矢理引き寄せて鼻先がくっつく程顔を近付けた

「ユキ！！！私が！！私を見ろと言っているでしょう！！！」

「っ！！！」

聞いた事もない、妹の怒鳴り声に肩が跳ね上がった

「貴方が抱いたものはわかってる！みんな同じだもの！！だけど、それをみんな抱えて！！全部引っ括めて！！私が許せと言ったの！！誰も悪くない！！悪いのは！！」

「悪いのは、許せと言った、私でしょう！！」

「雛、ちゃん」

小林の動きが止まる

「怒るなら、私にぶつけて、ユキくん・・・もう、誰も怒らないで」