【ヒューマンバグ大学】狂人達に愛された食事処・参 (ページ1)

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97)羽王戦争・導き出した答えページ1

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

聞こえてきた話に耳を傾けるA

「・・・“不退転”ですか・・・」

「あぁ、カシラの信念や」

目を閉じるA

そして、目を開き、歩み出す

城戸は黙ってついていく

「子らを命の危険に晒し、怒りに目の前が眩んでいた・・・だが、またその子のお陰で答えを導き出せた」

足音と共に現れるAに目を向ける天羽

「A・・・・」

噛み締める野田に困ったような表情を浮かべる

「お前さん・・・・・・・・・・・は・・・？」

大嶽の目が見開かれる

「・・・・どーも、お久しぶりですわ、大嶽のカシラ」

「お前・・・・城戸・・・・・？」

「お？間に合ったんか？」

「カシラァ！！」

更に現れる浅倉と岸本
死んだと思っていた舎弟の姿に驚きを隠せない大嶽

「いかがでした？」

「バッチグーや」

Aに親指を立てて向ける浅倉

「大嶽よ、この奇襲で死人は一人も出ておらんぞ」

「は？」

「ここにいる娘、Aが我々天羽組も、お前達天王寺組も、全員助けた。お前たちが死んだと思っていただろう城戸丈一郎も、浅倉潤らも、この娘が助けた」

大嶽がAに目を向ける

「・・・・・なんでや・・・・なんで、そうまでして・・・・」

Aは座り込む大嶽と目を合わせるように屈んだ

「確かに、私は天羽組の皆さんに姉妹のように可愛がって頂いてます。にぃ様も天羽組にいて、親代わりの人がいます。でも、私は天羽組ではなく、あくまでも中立の立場です。中立だからこそ、関東の良いところも、悪いところも見えます・・・・そして、関西の良いところも、悪いところも見えました」

胸元で手を組み、思い出すように話す

「大阪の方はみんな優しかったです。絡まれて困っていた私を助けてくれて、話し相手になってくれました。傷ついたカタギの方の代わりに怒ってくれました。迷子の子供を助けてくれました・・・そして、天羽組の皆さんと同じ様に、私のご飯を“美味しい”と、食べてくれました」

Aは真っ直ぐ大嶽の目を見る

「貴方が抱く怒り、憎しみは私では理解が足りないのかもしれない。だって、私はそれを経験していないから。天王寺組もそうです。貴方の抱く思いを知る人は、今何人いますか？」

「・・・・・・・・・」

「天羽組長が言われた通り、この戦いで散っていった命は、貴方達が量産し、言い聞かせてきた形なきもの。このまま戦い続けた先にあるのは終わりなき永遠の負の連鎖」