検索窓
今日:14 hit、昨日:31 hit、合計:24,494 hit

95)羽王戦争・終戦へ ページ49

大きく目を見開く戸狩は城戸を凝視する

「ほれ、足ついとるやろ」

「どういう、こっちゃ・・・?」

「説明は後や。とりあえずお前は医者な。Aちゃん、頼むわ」

「はいなぁ」

テキパキと応急処置をしていく

「おひめ、さま・・・これって・・・」

混乱する戸狩に、落ち着かせるように血に濡れた頬を触れた

「こんな騙すような形になってしまってごめんなさい。でも、悪いようにはしませんので、私を信じて頂けませんか?」

ふわり、と微笑むA

Aの持つ独特な雰囲気のせいか

不思議な声色に不思議と体の力が抜ける

「・・・・・・・カシラ・・・は・・・」

「大丈夫、私を信じて。誰も死なせないから」

手当てを終わらせ、顔を上げる

「智也、いる?」

「ここに」

スタッと側に膝ついて現れる智也

「彼を氷室さんの所へ連れていって。そろそろ表に車が来る頃だから」

「承知」

「にぃ様も「俺はお前についていく」にぃ様・・・でもちゃんと手当てを・・・」

「大した怪我じゃねぇ」

「・・・・・・・これ飲むなら許可しま」

Aの言葉が終わる前に、差し出されたボトルを取り、一気に中身を煽った

「飲んだぞ」

「おおぉおぉぉっ・・・・!!華太お前さん本気やなぁ・・・!!」

唖然とするA
グイッと口元を流れる水分を袖で拭う華太
中身を知っている城戸は感心したように声を出す

「・・・・もう、お好きにどーぞ。智也一人なら走った方が速そうだね、行ってらっしゃい」

「はい!それでは!」

戸狩を抱えてその場から消える智也

「親っさん!!みんな!無事か!?」

「え!?カシラ!?」

走ってきた阿久津の姿に驚く香月達

「ごめんなさい、阿久津の兄様、怪我人は一人だけでしたので運んでもらいました」

どうやらAの頼みで車を用意していたらしい

「一人!?華太!お前は!?ボロボロじゃねぇか!?」

「治りました」

「治りました!!?」

「“私のお水”を飲んだので、にぃ様は大丈夫ですよ。それより行きましょうか。阿久津の兄様と工藤の兄様も来て頂けます?」

「ん?俺もか?別に構わねぇが・・・」

Aは困ったように笑い

「多分、私一人でも止められると思うけど、念のために?」

「「??」」

「あー・・・・・・」

妹が何を言いたいのか理解した華太は脳裏に浮かぶ人物の事を考える

「“あの人”、めっちゃキレてたからなぁ・・・」

96)羽王戦争・決断の場に集う者→←94)羽王戦争・理由と再会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか? (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水琴 | 作成日時:2023年11月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。